ソニーは3月9日、液晶テレビ“BRAVIA”の新製品として、3D対応モデルやHDD内蔵モデルを含む6シリーズ15機種を発表した。あわせて「プレイステーション3」の3DゲームおよびBlu-ray 3Dへの対応についても、スケジュールを明らかにしている。3D対応テレビは6月10日から順次発売する予定だ。
「3D is YOURS 〜ソニーは3Dをすべての人へ」を掲げる同社は、ユーザーに2つの選択肢を用意した。1つはテレビを購入するだけで立体的な映像を楽しめる“3D内蔵”モデル。新製品の「LX900」シリーズは、標準で2つのアクティブシャッターメガネが付属し、テレビ本体にはメガネを同期させる赤外線トランスミッターを内蔵している。また、独自のアルゴリズムで通常の2D映像をほぼリアルタイムに3D化できる変換チップも搭載。「ハンディカムやサイバーショットで撮影した思い出も立体視が可能になる」としている。
もう1つは“3Dレディー”モデル。単体で3D視聴はできないが、背面に専用の「3Dシンクロ」端子を備え、オプションの「3Dトランスミッター」とアクティブシャッターメガネを購入すれば、3Dテレビに早変わり。初期投資は抑えたいが、将来的に3Dコンテンツも視聴してみたいという人に適した製品といえそうだ。3Dレディーモデルは、「HX900」「HX800」の2シリーズとなっている。
オプションの3Dトランスミッターは実売5000円前後、アクティブシャッターメガネは実売で1万2000円前後で販売される見込み。なお、アクティブシャッターメガネは、大人向けのスタンダードサイズと子ども向けのスモールサイズがあり、ブルーやピンクといったカラーバリエーションも用意する。また、蛍光灯などの下で使用してもちらつきが生じない“フリッカーレス”を実現している点も特徴で、先に発表されたパナソニックの3D対応プラズマテレビに対するアドバンテージとして訴求していく構えだ。
3D機能内蔵と3Dレディーモデルを合わせると、ソニーの3Dテレビは実に3シリーズ8機種に上る。サイズも40V型から60V型までと幅広い(4サイズ)。また、プレイステーション3の3D対応については、段階的にサポートしていく方針を示した。まず、3D対応BRAVIAの発売に合わせ、6月に3Dゲーム対応のファームウェアを提供する計画だ。その後、時期は未定ながらBlu-ray 3Dの再生もサポートするという。
ただし、今回はPS3以外の3D再生機は発表されず、BDレコーダーの新製品も登場しなかった。北米では1月の「2010 International CES」で3D対応のBDプレーヤー「BDP-S770」をリリースしており、またBlu-ray Discレコーダーが人気の日本市場に向けては対応レコーダーの追加も期待されていたが、“おあずけ”になった格好だ。
ソニーの夏モデルには、3D対応以外にも新しいフィーチャーがいくつもある。まずは、LEDバックライトモデルの拡大。新製品6シリーズのうち、4シリーズが直下型もしくはエッジ型のLEDバックライトを搭載しており、中にはエッジ型でありながら部分制御が行える製品も用意した。
また、今回の新シリーズから“モノリシックデザイン”コンセプトに沿って設計された製品が本格展開となる。テレビ前面にガラスを用いて表面をフラットにしたシリーズが複数用意されたほか、アルミの素材感を生かしたユニークなテーブルトップスタンドをオプション設定するなど、薄型テレビの新しいデザインを提案する。
画質面では、全機種に最新の映像処理回路「BRAVIA ENGINE 3」を搭載して画質の底上げをはかったほか、新たに「オプティコントラストパネル」「クリアブラックパネル」といった新型パネルを投入。4倍速駆動は、「モーションフロープロ240Hz」に進化した。
さらに全モデルが無線LANによるインターネット接続をサポートした点も新しい。IEEE 802.11n無線LANを内蔵したモデルを複数用意したほか、内蔵していないモデルでもUSB端子を備えており、オプションの無線LANアダプターを取り付けるだけで無線LANを利用できる。
このほかにも、人感センサーがカメラセンサーに進化するなど、見どころの多いBRAVIA新シリーズ。詳細は別途記事を掲載する予定だ。
シリーズ名 | HX900 | LX900 | HX800 | NX800 | HX700 | BX30H |
---|---|---|---|---|---|---|
画面サイズ | 52V型、46V型 | 60V型、52V型、46V型、40V型 | 46V型、40V型 | 46V型、40V型 | 46V型、40V型 | 32V型、26V型、22V型 |
3D対応 | オプション | 内蔵 | オプション | ― | ||
録画機能 | ― | 内蔵 | ||||
パネル種類 | オプティコントラストパネル | クリアブラックパネル | 従来型 | |||
バックライト | 直下型LED(部分制御) | エッジ型LED | エッジ型LED(部分制御) | エッジ型LED | CCFL | CCFL |
240Hz駆動 | モーションフロープロ240Hz | モーションフロー240Hz | ― | |||
インテリジェント画質回路 | 内蔵 | ― | ||||
人感センサー | ― | カメラセンサー | ― | |||
Wi-Fi内蔵 | ― | 内蔵 | ― | 内蔵 | ― | |
リモコン | 無線 | 無線 | 赤外線 | 無線 | 無線 | 赤外線 |
発売時期 | 7月16日 | 40V型、46V型:6月10日 52V型、60V型:7月16日 |
7月16日 | 4月30日 | 4月30日 | 6月10日 |
実売想定価格 | 52V型:47万円前後 46V型:39万円前後 |
60V型:58万円前後 52V型:43万円前後 46V型:35万円前後 40V型:29万円前後 |
46V型:28万円前後 40V型:22万円前後 |
46V型:26万円前後 40V型:20万円前後 |
46V型:25万円前後 40V型:19万円前後 |
32V型:10万円前後 26V型:9万5000円前後 22V型:8万円前後 |
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