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ソニー「BDZ-AX2000」の進化を検証する(後編)フルモデルチェンジ(1/3 ページ)

» 2010年10月01日 14時12分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 前回は、ソニーの新しいハイエンドBlu-ray Discレコーダー「BDZ-AX2000」を取り上げ、その録画機能を中心に検証した。今回は、ユーザーインタフェースや新MPEG-4 AVC/H.264エンコーダーによる長時間録画モードの画質を中心に見ていこう。

ソニー「BDZ-AX2000」と独特のGUI「XMB」(クロスメディアバー)。リモコンの「ホーム」ボタンを押せば、クロスメディアバーが起動する。慣れてしまえば直感的に操作でき、その軽快さも健在だ

 ソニーのBDレコーダーは、2003年の「PSX」を発祥とする独創的なGUI「XMB」(クロスメディアバー)を採用しており、その軽快な動作は競合製品との差別化の1つであった。反面、クロスメディアバーはエルダー層を中心とするAV機器に不慣れな層には分かりにくいという側面もあり、2009年冬モデルからは目的別のシンプルな「らくらくメニュー」も搭載して、より幅広いユーザーへの対応を進めている。最終的にはクロスメディアバーと同じ一覧などが表示されるなど中途半端な部分もあるのだが、「戻る」ボタンできちんと「らくらくメニュー」に戻ってくるなど階層管理もきちんとされている。

「らくらくメニュー」のトップ画面と次の階層の画面。レコーダーとしての基本機能とチューナー代わりの利用シーンは十分にカバーしている。これ先はクロスメディアバーと同じ画面に移行するが、「らくらくメニュー」ではある程度事前説明も果たされている

 競合製品でも採用が進む電子番組表の情報をベースにしたジャンル別の録画番組一覧も同社は「オートグルーピング」機能としていち早く採用した。リモコンからも黄色キーで切り替えが可能だが、これが「フォルダ管理」と表記されておりいまひとつ分かりにくい。これが「らくらくメニュー」では「全てから選ぶ」「ジャンルから選ぶ」と同一階層のメニューに配置されており、これなら使ってみようと思うだろう。

photo リモコン。基本レイアウトは踏襲しているものの、数字キーや録画・再生関連のボタンを大型化

 本機では、さらにリモコンにもメスが入った。基本レイアウトは踏襲しているものの、数字キーや録画・再生関連のボタンを大型化し、数字キーにはトグル式で文字入力する場合の該当文字が表記されている。従来から機能は割り当てられていたフラッシュボタンには「10秒戻し」「15秒送り」と分かりやすく表記するなど、ボタンの持つ機能をより具体的に示した。らくらくメニューを呼び出す「らくらくスタート」ボタンは、目立つ色で方向キーの上部に配置し、操作の入り口であることをより強調する。デザイン的には若干野暮ったくなった感は否めないものの、より幅広いユーザーにとって分かりやすくなったのは事実だろう。

 リモコンに関しては、2010年春モデルで導入された14メーカーのテレビ操作にも対応しており、内7メーカーは番組表の呼び出しなども可能だ(→ソニー、「おまかせリモコン」搭載の新しいBDレコーダー4機種を発表)。既にソニー以外のテレビを所有しているといった場合にはやはり便利な機能だ。

 使い勝手という点では、新たに導入された瞬間起動モードも本当に起動が早い。瞬間起動モードは実質的には部分的に電力消費を抑えている形になるので2時間ずつの枠で1日あたり最大6時間という制限があるが、予約録画はともかく実際に録画番組を再生する時間帯はだいたい決まっているだろうから必要十分ともいえる。また使用状況から瞬間起動モードの時間帯を自動学習する機能も実用的だ。

本機のリモコンで操作できるテレビメーカーを初期設定で選択する
瞬間起動の設定は、ウィザード形式のかんたん機能設定にも含まれており、きちんとデメリットも解説されている。また「My!番組表」や「おでかけ転送」、モニター別画質設定などもかんたん機能設定に含まれている。せっかくの付加機能をできるだけ使ってもらおうという姿勢は好ましい
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