東京ビッグサイトで12月9日、日本最大級の環境専門展示会「エコプロダクツ2010」が開幕した。今年で12回目となる同イベントには、750の企業や団体が出展。3日間で約18万5000人の来場を見込んでいる。
展示会場に入ると、まず子どもたちの姿が多いことに気付く。エコプロダクツは、開始当初から「環境教育」を大きなテーマに掲げており、小中高生の会場見学を積極的に受け入れている。このため、各ブースの企画も単なる技術説明にとどまらず、体験型コーナーやスタンプラリーなどを通じて子ども向けに環境問題を分かりやすく説明する催しものが多い。
例えばパナソニックブースの「LEDの省エネを体験してみよう」コーナーは、大きな箱に付いているハンドルを回して電気をおこし、白熱灯とLED電球を点灯させるというもの。白熱灯は4つのハンドルを4人で一緒に回さないとつかないが、LED電球は1人でも点灯する。LED照明の省エネ性を、まさに“体感”できる仕掛けだ。
ソニーブースでは、3D対応の大型LEDディスプレイを使って「手作り腐葉土教室」という子ども向けのワークショップを催している。
子どもたちはまず、ソニーイーエムシーエス東海テック幸田サイト(工場)にある「ソニーの森」誕生の軌跡を3D映像で視聴する。幸田サイトは、1972年の設立当初から“緑豊かな公園工場”を目指し、社員が仕事の合間に木々を植えてきたという。当初は成長の早いユーカリの木などを植樹していたが、ほぼ完成という段階になった1997年、台風の直撃を受けてほとんどの木が倒れてしまう。しかし、以前からそこにあった山桜の木だけはしっかりと立っていた。「緑を増やすだけではダメだ。本当に根付く木を植えなければ」。本当の“森作り”がそこから始まる……という、見応えのあるドキュメンタリー3D映像だ。
その映像を見た後、こどもたちは3Dカメラの前で腐葉土作りを体験するのだが、リアルタイムで「ソニーの森」の映像に合成されるため、まるでソニーの森で作業しているかのように見えるという仕掛けになっている。
一方、展示では10月に発表した「360°立体ディスプレイ」をはじめ、2009年のCEATECで展示したフレキシブル有機ELディスプレイを使ったVAIOやReaderのコンセプトモデル、色素増感太陽電池などを展示。さらに光ディスクの廃材を主原料とした「Energy Style Wall」や「Mirai-Display」といった新しい提案もあった。
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