2003年5月9日にM-Vロケットで宇宙に旅立った小惑星探査機はやぶさ。2004年5月には地球の重力を利用して加速するスウィングバイを成功させ、秒速34キロメートルで小惑星「イトカワ」の周回軌道へ向かった。途中、イオンエンジンの不調やリアクションホイールの故障などに見舞われつつも、2005年9月に地球から約3億3000万キロ離れたイトカワに到着。2度のタッチダウンでサンプル採取に成功した。
帰路も通信途絶やエンジントラブルなど幾多の困難に遭遇するが、そのたびに奇跡的な復旧を果たし、予定より3年以上も長い時間かけて地球に戻ってきたはやぶさ。しかし、サンプルの入ったカプセルを地球に落下させるためには、はやぶさ自身も大気圏に突入しなければならないことが判明する。
2010年6月13日、カプセルを分離したはやぶさは、最後に地球を撮影して大気圏に突入。オーストラリア上空で一筋の光となって燃え尽きる様子はインターネットで全世界に中継され、多くの人の胸を打った。
もうはやぶさの姿を見ることはできず、宇宙で活躍していたときの姿も想像するしかない。しかしこの夏、はやぶさの姿ばかりか、そのミッションの様子までを忠実に再現できる1/24スケールの模型が登場する。バンダイは2月18日「大人の超合金」シリーズの第3弾として「小惑星探査機はやぶさ」を発表した。価格は2万4150円で、6月24日に発売する予定だ。
大人の超合金シリーズは、超合金で培った技術を利用して実在の造形物をリアルに再現する“大人向けのこだわりのホビーアイテム”。2009年の「アポロ11号&サターンV型ロケット」、2010年の「スペースシャトル エンデバー」に続く第3弾として、小惑星探査機はやぶさが登場することになった。
各部のカラーリングからエッチングパーツを多用してのディティール再現まで、精密に再現されたはやぶさ。監修は、JAXAはやぶさプロジェクトチームが担当した。太陽電池パドルは可動式で展開シーンを再現できるほか、イオンエンジンやレーザーレンジファインダーにはLEDの発光ギミックを装備。付属のリモコンで操作可能だ。
「宇宙空間への放出からイトカワへの着陸、帰還までの全シークエンスをさまざまなディスプレイで再現できる。7年間におよぶミッションを90秒間で再現するモードも用意した」(同社)。
例えば、宇宙空間に放出されたはやぶさは、まずイオンエンジンのテストを行った。このとき、エンジン部分のLEDが1基ずつ点灯してテストの様子を再現するという。またエンジントラブルで特定のエンジンが停止していた時期は、該当するエンジンの光が消える仕組みだ。
再突入カプセルやターゲットマーカーは磁石式で着脱が可能。付属のディスプレイ用アームを用い、カプセルの放出シーンを再現することもできる。そのほかの付属品として、ディスプレイ台座や台座用フォトシート4種、特別冊子なども付属する。
これまでの大人の超合金シリーズは1/144スケールを標準としていたが、サターンロケットやエンデバーに比べるとはやぶさはかなり小さいため今回は1/24スケールとなった。ただし、サターンロケットなどと同スケールで比較したいというニーズもあり、初回生産限定特典として1/144スケールのはやぶさを付属するという。
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