パナソニックが発表した“ブルーレイディーガ”の秋モデルには、「DMR-BZT910」と「DMR-BZT9000」という2つのプレミアムモデルが用意されている。両者は基本機能を共通化した兄弟モデルで、異なるのは内蔵HDDの容量と筐体(きょうたい)のみ。にもかかわらず、重量にはほぼ倍の差があり、実売予想価格にも大きな開きがある。パナソニックの担当者に詳しく聞いた。
パナソニックでは、これまでもディーガシリーズの最上位を“プレミアムモデル”と位置づけており、現行シリーズでは「DMR-BZT900」がそれにあたる。秋モデルでは、その後継として「DMR-BZT910」があり、その上に「DMR-BZT9000」が追加された形だ。「今年はアナログ停波によってビデオデッキやDVDレコーダーからの買い替えが進み、一方でデジタルチューナー搭載の初期モデルも買い替えや買い増しも増える。細分化したユーザーニーズに応えるため、プレミアムモデルも2つに分けた」(同社)。
同社の調査によると、デジタル化を境にレコーダーは進化のスピードは増しており、ビデオデッキの時代の買い替えサイクルが6〜7年だったのに対し、現在は約4.5年まで短くなったという。さらに「秋以降のBS再編も買い替えや買い増しを後押しする」と指摘。2011年度のBlu-ray Discレコーダー需要は、前年比209%にあたる840万台と推測している。
型番 | DMR-BZT910 | DMR-BZT9000 |
---|---|---|
チューナー数 | 3 | |
スカパー!HD録画対応 | ○ | |
HDD容量 | 2Tバイト | 3Tバイト |
USB外付けHDD対応 | ○ | |
3D対応 | ○ | |
タッチパット搭載無線リモコン | ○ | |
HDMI出力 | 2 | |
本体サイズ | 430(幅)×68(高さ)×239(奥行き)ミリ | 437(幅)×77(高さ)×239(奥行き)ミリ |
重量 | 約3.8キログラム | 約7.5キログラム |
発売日 | 9月15日 | |
実売想定価格 | 21万円前後 | 37万円前後 |
今秋のディーガはシングルチューナーの「DMR-BRT210」から「DMR-BZT9000」まで6モデルをラインアップして需要の拡大に対応する。スタンダードモデルの「DMR-BZT710/810」でも4番組同時録画(スカパー!HD録画を含む)をサポートするなど機能性を訴求して買い替えを促進するとともに、ホームシアター用途で画質や音質をとことん追求するハイエンドユーザー層に「DMR-BZT9000」を、そしてコストパフォーマンスも重視する層には「DMR-BZT910」という2つの選択肢を用意して、どちらも取り込もうという戦略だ。
前述の通り、2つのプレミアムモデルで大きく異なるのは筐体(きょうたい)設計だ。「DMR-BZT9000」は、極めてオーディオ的な発想で作られた重い筐体を採用している。
まず3.5ミリの厚さを持つアルミ製天板で上からおさえ、剛性と制震性を確保。アルミ押出材を使用するサイドパネルはL字型になっており、内側から天板にビスどめ固定して剛性を確保した。ただし、「上の方が重いと重心が上がり、振動が増えてしまう」ことから、ベースシャーシはクロム鋼などの金属板を3層(0.8ミリ、2ミリ、1ミリ厚)に重ねた構造として重心を引き下げたという。ちなみに通常のレコーダーは、0.8ミリ厚の鉄板1枚というのが一般的だ。
震動源となるBDドライブは、「高剛性ドライブシェルター」と呼ばれるケースに収められている。「従来は板金をつなげただけのものだったが、今回は絞り出しで3方(上面、左右側面)がつながっている。それをシャーシに4カ所、フロントパネルに2カ所ビスどめすることで振動を抑制した」(同社)。
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