ITmedia NEWS >

プレミアムモデルはどう違う? “ブルーレイディーガ”秋モデル詳報(2)重さには理由がある(1/2 ページ)

» 2011年08月19日 14時35分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 パナソニックが発表した“ブルーレイディーガ”の秋モデルには、「DMR-BZT910」と「DMR-BZT9000」という2つのプレミアムモデルが用意されている。両者は基本機能を共通化した兄弟モデルで、異なるのは内蔵HDDの容量と筐体(きょうたい)のみ。にもかかわらず、重量にはほぼ倍の差があり、実売予想価格にも大きな開きがある。パナソニックの担当者に詳しく聞いた。

今回の取材に応じてくれたパナソニック開発陣

 パナソニックでは、これまでもディーガシリーズの最上位を“プレミアムモデル”と位置づけており、現行シリーズでは「DMR-BZT900」がそれにあたる。秋モデルでは、その後継として「DMR-BZT910」があり、その上に「DMR-BZT9000」が追加された形だ。「今年はアナログ停波によってビデオデッキやDVDレコーダーからの買い替えが進み、一方でデジタルチューナー搭載の初期モデルも買い替えや買い増しも増える。細分化したユーザーニーズに応えるため、プレミアムモデルも2つに分けた」(同社)。

 同社の調査によると、デジタル化を境にレコーダーは進化のスピードは増しており、ビデオデッキの時代の買い替えサイクルが6〜7年だったのに対し、現在は約4.5年まで短くなったという。さらに「秋以降のBS再編も買い替えや買い増しを後押しする」と指摘。2011年度のBlu-ray Discレコーダー需要は、前年比209%にあたる840万台と推測している。

「DMR-BZT910」(左)と「DMR-BZT9000」(右)

型番 DMR-BZT910 DMR-BZT9000
チューナー数 3
スカパー!HD録画対応
HDD容量 2Tバイト 3Tバイト
USB外付けHDD対応
3D対応
タッチパット搭載無線リモコン
HDMI出力 2
本体サイズ 430(幅)×68(高さ)×239(奥行き)ミリ 437(幅)×77(高さ)×239(奥行き)ミリ
重量 約3.8キログラム 約7.5キログラム
発売日 9月15日
実売想定価格 21万円前後 37万円前後

 今秋のディーガはシングルチューナーの「DMR-BRT210」から「DMR-BZT9000」まで6モデルをラインアップして需要の拡大に対応する。スタンダードモデルの「DMR-BZT710/810」でも4番組同時録画(スカパー!HD録画を含む)をサポートするなど機能性を訴求して買い替えを促進するとともに、ホームシアター用途で画質や音質をとことん追求するハイエンドユーザー層に「DMR-BZT9000」を、そしてコストパフォーマンスも重視する層には「DMR-BZT910」という2つの選択肢を用意して、どちらも取り込もうという戦略だ。

オーディオ的なアプローチの「高剛性&低重心筐体」

 前述の通り、2つのプレミアムモデルで大きく異なるのは筐体(きょうたい)設計だ。「DMR-BZT9000」は、極めてオーディオ的な発想で作られた重い筐体を採用している。

 まず3.5ミリの厚さを持つアルミ製天板で上からおさえ、剛性と制震性を確保。アルミ押出材を使用するサイドパネルはL字型になっており、内側から天板にビスどめ固定して剛性を確保した。ただし、「上の方が重いと重心が上がり、振動が増えてしまう」ことから、ベースシャーシはクロム鋼などの金属板を3層(0.8ミリ、2ミリ、1ミリ厚)に重ねた構造として重心を引き下げたという。ちなみに通常のレコーダーは、0.8ミリ厚の鉄板1枚というのが一般的だ。

カットモデル。天板は3.5ミリ厚のアルミ、ベースシャーシは3層構造になっている

DMR-BZT9000を横に立たせて揺らすと底面側に倒れる。重心が低い証拠だ

 震動源となるBDドライブは、「高剛性ドライブシェルター」と呼ばれるケースに収められている。「従来は板金をつなげただけのものだったが、今回は絞り出しで3方(上面、左右側面)がつながっている。それをシャーシに4カ所、フロントパネルに2カ所ビスどめすることで振動を抑制した」(同社)。

低重心化の恩恵は、解析結果に表れた。このグラフはCD再生時におけるベースシャーシ振動解析の実測値。3層シャーシは共振ピークがほとんど現れず、理想的なカーブを描いていることが分かる(左)。高剛性ドライブシェルター(右)

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.