ドイツのベルリン市内で開催されている家電総合展示会「IFA 2011」。現地リポート第2弾は、前回に引き続き「スマートテレビ」に関する最新事情をお届けする。前回カバーできなかった東芝を中心に、主に海外市場でプレゼンスの大きい各社の動向を紹介していきたい。
東芝ブースの中核にあり、最大の目玉とされていたのはグラスレス3Dテレビ(裸眼立体視対応の3Dテレビ)だったが、その次くらいに大きく取り扱われていたのが、いわゆるスマートテレビとタブレットに関するものだ。前回のリポートでも触れたように、今年のIFAでみられるスマートテレビのトレンドがは、「スマートフォン/タブレットなどのデバイス間連携」「ソーシャルメディアを含むアプリ実行環境」だが、東芝もこれにならった形での提案となっている。具体的には、同社のAndroid 3.x HoneycombベースのタブレットとTVがリモコンなどの形で連携したり、「Toshiba Places」と呼ばれるクラウドサービスが用意されていたりする。
Toshiba Placesは、東芝ヨーロッパ社が昨年発表したもので、動画などのコンテンツ閲覧から教育、ゲームまでさまざまなアプリケーションを実行できる。ここでもやはり、FacebookなどのソーシャルネットワークやSkypeといったコミュニケーションツールは標準でカバーされるのが必須のようだ。
東芝が欧州市場で販売している大画面TVは、本体下部にカメラが搭載されているケースも多く、オプション追加なしでビデオチャットに対応できることが大きい。東芝によれば、このカメラは普段は顔認識機能に利用されているとのことで、一度個人の顔をTVに登録すれば、以後は登録した本人がTVの前に立つだけで、TVの各種設定が個人ごとのプロファイルに切り替わる仕組みが用意されている。これをソーシャルネットワークに応用すれば、家族で1台のデバイスを共有するTVなどのデバイスでのサービス利用には適しているといえるかもしれない。
リモコン機能は、前回のリポートで紹介した競合他社の製品と同じく、十字キーや数字ボタンが並んだパネル形式のもののほか、手元の画面を見ないで操作できるフィンガージェスチャータイプのものまで、適時切り替えで利用できるようになっている。またアプリは無料提供されているものだが、東芝は現時点で自社製品としてタブレットしかもっていないため、スマートフォン向けとしてはAndroidのほかiOSアプリが用意され、ブースのデモではiPod touchを用いたリモコンが参考展示されていた。このように自社製品にないポートフォリオを他社製品で補完する例はIFA全体でみられ、例えば東芝に隣接していたオランダのPhilipsブースでは、タブレットを用いたスマートテレビ向けリモコンとしてiPadやHTC Flyerなどがサンプルとして展示されていた。
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