バッファローは10月19日、地上デジタル放送の最大8局を常時録画する“全録”レコーダー「DVR-Z8」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭では10万円前後になる見込み。12月中旬に発売する。
愛称は「ゼン録」。幅43センチのAV機器として標準的なサイズだが、Blu-ray Discドライブなどは搭載せず、代わりにフロントパネルに8つの青色LEDを備えている。全録で録画しているチャンネルの数により、点灯するLEDの数が変わる仕組みだ。
内蔵HDDは2Tバイトで、このうち1.7Tバイトを全録のキャッシュ用に、残りの300Gバイトを通常予約および保存用の領域としている。全録では対象となるチャンネルを1〜8局、録画モードを3種類から選択できる。平均ビットレートが約8Mbpsの「高画質」、約4Mbpsの「標準画質」、約2Mbpsの「低画質」があり、例えば8チャンネルを高画質モードで全録する場合は2日分、低画質モードなら8日分(約1536時間)をまるまるキャッシュできる計算になる。
録画チャンネル数 | 高画質(約8Mbps) | 標準画質(約4Mbps) | 低画質(約2Mbps) |
---|---|---|---|
8 | 2日 | 4日 | 8日 |
7 | 2.2日 | 4.5日 | 9日 |
6 | 2.6日 | 5日 | 10日 |
5 | 3日 | 6日 | 12日 |
4 | 4日 | 8日 | 16日 |
3 | 5日 | 10日 | 21日 |
2 | 8日 | 16日 | 32日 |
1 | 16日 | 32日 | 64日 |
再生時は、過去番組表から目的の番組を選択するだけでいい。また録画番組の一覧画面から選ぶことも可能。画面上部のタブで「ドラマ」「バラエティー」など17の番組ジャンルで分類されている。もちろん再生中は早送り/早戻し、一時停止などの操作が可能だ。
ユニークなのは、「あたかも今放送されているかのように、過去の番組をチャンネルを変えながら視聴できる」(同社)ということ。全録でキャッシュした番組を見ているとき、リモコンのチャンネル上下ボタンやテンキー(ダイレクト選局)でチャンネルを変えると、それまで見ていた番組と同時間帯の裏番組が再生される。例えば、深夜に帰宅しても、ゴールデンタイムの番組をザッピング視聴できる。
キャッシュした番組は、HDD容量が足りなくなると古い順に消去されていくため(全録中止も選択可能)、残したい番組があったら300Gバイトの通常録画領域もしくはUSB外付けHDDにダビングする必要がある。同時に接続できる外付けHDDは1台のみ。
また全録と並行して300GバイトのHDD領域に通常の予約録画も可能だ。ただし、通常録画も地上デジタル放送のみが対象となり、録画モードは放送波をそのまま記録するDRモードに限定される。
マニア向けのイメージが強い全録レコーダーだが、バッファローでは録画予約の作業を省く「予約不要、見逃しゼロ」をキーワードに訴求していく考え。同社デジタルホーム事業部の石井希典事業部長は、「VHSの時代から録画予約は難解な作業だった。全録は究極の予約。時間的な制約を受けず、もっとテレビを楽しめる」と話している。
そのほかの主な仕様は下表の通り。なお、バッファローは同日、3波対応デジタルチューナーを2つ搭載した2番組同時録画対応のスタンダードHDDレコーダー「DVR-W1」(1Tバイト)、シンプルな3波対応HDDレコーダー「DVR-S1C」(500Gバイト)も同時にリリースしている(→テレビの新しい視聴スタイルを提案――バッファロー、HDDレコーダー3機種を発表)
型番 | DVR-Z8 |
---|---|
チューナー | 地上デジタル×8(全録用)+1(通常録画用) |
HDD容量 | 2Tバイト(うち通常録画用に300Gバイト割り当て) |
USB外付けHDD対応 | ○(同時接続は1台、2Tバイトまで) |
インタフェース | HDMI×1、USB×1、LAN、アンテナ入力 |
消費電力 | 31ワット |
外形寸法 | 430(幅)×220(奥行き)×50(高さ)ミリ |
価格 | オープン(10万円前後) |
発売時期 | 12月中旬 |
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