ヘッドフォンからテレビ、ホームシアターまで、さまざまなジャンルの数多あるAV系新製品のなかから注目の新製品をピックアップし、いち早いレビューをお送りしていく「野村ケンジのぶらんにゅ〜AV Review」。今回はつい先日発表されたばかり、新開発50ミリドライバーを採用した密閉型ヘッドフォン、AKG「K550」のレビューをお届けしよう。
先日開催された「秋のヘッドフォン祭り」は、会場の至る所に多くの新製品が並び、大いに盛り上がった。その活気ある姿は、AVライターとしてはもちろん、いちオーディオファンとしてもうれしいかぎり。しかしそのいっぽうで、取材する側の人間としては「うれしい悲鳴」で、いくつかの製品に関しては、もっとじっくり試聴したいと思いつつも、その場を離れなければならないことが少なからずあった。
今回紹介するAKG「K550」も、そんな「後ろ髪を引かれた」製品のひとつ。新開発の50ミリドライバーを搭載し、オープンエアーのイメージが強いAKGながらあえて密閉型を採用、しかも先代に当たるシリーズのない全くのブランニューモデルとくれば、筆者でなくても大いに気になる存在であるはず。そこで今回は、「K550」のサンプル機をいち早く借用し、そのサウンドをじっくりチェックさせてもらった。
まずは「K550」の概要について紹介しておこう。詳細は発表記事に譲るが、やはり最大の注目ポイントは新開発のドライバーだろう。AKGといえば、「Q701」や「K601」などスタジオモニター系に採用されている40ミリドライバーのイメージが強いが、「K550」に搭載されたのは新開発の50ミリ径。しかも振動板には、位置によって厚みや重量(多分複合素材の配分を変えているのだろう)を変えた、マイラー系の素材を採用する。さらにアルミ素材で軽量なボイスコイルを組み合わせることで、大口径ならではの迫力と高いリニアリティーを両立し、「躍動感のあるワイドレンジ再生を可能にした」という。また密閉型フランジの内側には、バスレフポートを備えた“内部ハウジング”を装着し、お得意の「ベンチレーション・システム」と合わせて、振動板の背圧をコントロールすることでスムーズな振幅を実現しているという。
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