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スロットインHDDに対応した“AQUOSブルーレイ”上位モデルが登場制約の少ないHDD増設(1/2 ページ)

» 2012年04月17日 14時00分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 シャープは4月17日、“AQUOSブルーレイ”の新製品として、独自のカセットHDD「SHDD」(スロットインハードディスク)でストレージ容量を手軽に追加できる「Tシリーズ」3製品を発表した。USB外付けHDDに比べ、機能的な制約が少なく、外観もスマートになることがメリット。いずれもオープンプライスで、5月30日に発売する。

“AQUOSブルーレイ”Tシリーズ3製品(左)。最上位モデルの「BD-T2100」(右)

製品型番 BD-T2100 BD-T1100 BD-T510
内蔵HDD 2Tバイト 1Tバイト 500Gバイト
内蔵チューナー 地上/BS/CS110度デジタル×3
SHDD対応
無線LAN ○(無線LANユニット内蔵、Wi-Fiコネクト対応)
実売想定価格 18万円前後 11万5000円前後 9万円前後
発売日 5月30日
価格はオープンプライス

 3月下旬に発売したWチューナーモデルに続く、デジタルトリプルチューナー搭載の上位シリーズ。AVCトランスコーダーを3基備え、3番組同時の長時間録画が可能だ。またスカパー!HDチューナーをネットワーク接続して録画する「スカパー!HD録画」にも対応、合わせて4番組同時録画に対応できる。なお今回は、スカパー!HDチューナー内蔵モデルはラインアップしていない。

SHDDのメリットと制約

 SHDDは、2.5インチのHDDをカセットにしたもの。1台のレコーダーに対しては16台までのSHDDを登録できる。

 フロントカバーの下に専用スロットを備え、別売のカセット「VR-SHD50」(5月発売、1万2000円前後)を差し込み、横にあるスライドスイッチでロックすれば利用できる。フロントカバーを閉めてしまえば外観上の変化はなく、またコンセントを余分に使うこともない。

フロントカバー内にSHDDスロットを装備(左)。SHDD「VR-SHD50」は500Gバイトの2.5インチHDDを使用している。実売想定価格は1万2000円前後(右)

 録画予約時は、録画先として「HDD」「SHDD」を選択できる。USB外付けHDDを使うタイプでは、同時録画の数(通常は1番組)やダビング速度などに大きな制約が生じるが、SHDDの場合は3番組の同時長時間録画あるいは2番組の同時録画と再生など、「最大3つのイベントを同時に実行できる」(同社)という。つまり、「スカパー!HD録画」を含む4番組同時録画のうち、内蔵デジタルチューナーによる3番組録画の録画先をすべてSHDDにすることも可能だ。

予約時に録画先を選択。SHDDの場合でも長時間録画が可能だ

 また、SHDDに録画した番組は、編集をはじめ、内蔵HDDとの相互ムーブ、SHDD内でのダビング、SHDDからBD-R/REへの直接ダビングなどに対応。内蔵HDDーSHDD間のダビングでは、レート変更を伴わない場合は最大10倍速という。さらにSHDD内の録画番組をDLNA準拠の「ホームネットワーク」でほかのAQUOSなどにネットワーク配信することも可能だ。

 逆に、SHDDが対応していない機能は、スカパー!HD録画、BD-Rなどからのムーブバック(書き戻し)、デジカメ写真やAVCHDビデオカメラからのデータ取り込み、外部AV入力からの録画など、主に外部インタフェースに依存する部分となっている。一方、レコーダーの持つ録画機能の中では、後述の「最新上書き録画」「キーワード録画」といった自動録画関係の録画先としてSHDDを指定することはできない。

 同様のカセットHDDとしては、日立“Wooo”などに採用された「iVDR」規格が存在するが、シャープでは「機能的な制約が生じることにくわえ、コスト削減のために独自仕様を開発した」としており、今後はほかの製品でもSHDD対応を検討していく方針だ。ただし、SHDDは内蔵HDDと同じ著作権保護方式を採用しているため、記録したデジタル放送番組を再生できるのは録画したレコーダーに限られる。

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