JVCケンウッドは5月10日、JVCブランドのカナル型イヤフォン「FXDシリーズ」3機種を6月上旬から順次発売すると発表した。スマートフォン用のバリエーションモデル1機種合わせ、4000〜7000円という売れ筋価格帯に投入する。
型番 | HA-FXD80 | HA-FXD70 | HA-FXD60 | HA-FRD60 |
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型式 | ダイナミック型 | |||
出力音圧レベル | 102dB/1mW | |||
再生周波数帯域 | 8〜2万5000Hz | 10〜2万5000Hz | 10〜2万4000Hz | |
インピーダンス | 20オーム | |||
最大許容入力 | 150mW | |||
カラー | ガンメタリック | ブラック、シルバー | ブラック、レッド、ホワイト | |
実売想定価格(※) | 7000円前後 | 5000円前後 | 4000円前後 | 4500円前後 |
発売時期 | 2012年6月上旬 | 2012年7月上旬 | ||
「HA-FXC51/FXC71」の後継モデル。JVCではミドルクラス以上のカナル型イヤフォンに新素材の振動板やハウジングを積極的に取り込むことで「全体域のリアリティーを追求」(同社)してきたが、今回は「HA-FXCシリーズ」で評価の高かった部分を継承しつつ、いくつかの新要素を加えたメジャーアップデートとなる。
まず構造面では、エンクロージャーの先端にドライバーユニットを直接固定することで分解能と遮音性を向上させる「トップマウント構造」をブラッシュアップ。従来はラバーパッド一体型の“音筒”を介して間接的につながっていたハウジングとドライバーユニットを直接つなぐ「ダイレクトトップマウント構造」に進化させた。これは、スピーカーのエンクロージャー構造に着目した改良だという。「遮音性はそのままに、マイクロHDドライバーユニットの性能をさらに引き出すことに成功した」(FXDシリーズの開発を担当した同社ホーム&モバイル事業グループHM技術統括部商品設計第三部第一設計グループの浅香宏充氏)。
また、HA-FXD80とHA-FXD70の2機種には、剛性の高いステンレス切削筐体(きょうたい)を採用。不要な振動を抑え、クリアで伸びのある中高音と歯切れの良い低音を実現したという。さらにHA-FXD80には比重の高い真鍮(しんちゅう)製リングを加えている。
一方、上位モデルの「HA-FXT90」で初めて採用したカーボンナノチューブ振動板をミドルクラスに持ち込んだ点も新しい。カーボンナノチューブは、アルミニウムの半分の軽さと鋼鉄の20倍という強度を持ち、固有振動数が高いために音の反応が速く、緻密(ちみつ)な音表現が可能になるという。また今回はFXDシリーズ専用にチューニングを行い、5.8ミリ径のマイクロHDユニットに納めた。
「HA-FXC51/FXC71のカーボン振動版に比べてさらに軽量化と高剛性を実現した。応答性に優れ、緻密でキレのあるサウンドを再生してくれる」という。
もう1つのユニークな特長が、コードからのタッチノイズを低減する「制振フィットブッシング」。コードの根元をS字形状に屈折させ、弾性の高いゴム系素材で固定した。これにより、HA-FXC71比で約30%もタッチノイズが低減した。
FXDシリーズの3製品は、ダイレクトトップマウント構造とカーボンナノチューブ振動版搭載マイクロHDユニット、制振フィットブッシングを共通仕様としつつ、ステンレス製のメタルエンクロージャーやデュアルシリンダー構造でグレードを構築し、従来機のFXCシリーズは2モデルだった価格帯に今回は3モデルを投入する。
「ラインアップの拡充はJVCとしてもチャレンジ。しかし、実際にそれぞれの音を聞くと、ヌケの良いHA-FXD80に対して力強いHA-FXD70などと傾向が異なり、音楽のジャンルや好みによって使い分けるニーズも出てくるかもしれない」(同社)。
このほか、「HA-FXD60」をベースにスマートフォン用のマイク付きコントローラーを備え、ハンズフリー通話や楽曲の再生操作が可能なバリエーションモデル「HA-FRD60」もラインアップ。変換コードを使わず、切り替えスイッチ1つの各社のスマートフォンに対応するという(一部操作できない機種もあり)。なお、全モデル共通で、コードの長さを調整できるコードキーパー、コードのこすれ音をおさえるクリップ、キャリングポーチ、3サイズ(S/M/L)のイヤーポースが同梱(どうこん)される。
JVCでは、新しいFXDシリーズを5月12日に東京・秋葉原で開催される「春のヘッドフォン祭2012」(フジヤエービック主催)に出展する予定。同社ブースでは使用機を使って実際に聞き比べができるという。
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