Blu-ray Discレコーダーとタブレット端末のネットワーク連携を検証するシリーズも、今回の東芝で一区切り。まずはタイムシフトマシンとして異彩を放つ東芝のBlu-ray Discレコーダー「DBR-M180」を紹介していこう。
DBR-M180は、2011年冬に発売された東芝の“レグザサーバー”だ。同社はBDレコーダーのブランド名を「REGZAブルーレイ」に統一後も、旧VARDIAシリーズの系譜となる「RD」型番を持つ製品を発売していたが、2011年秋以降発売の製品は旧VARDIAシリーズの流れをくむ“DBR-Z”型番の製品と、録画機能付きテレビからの派生に近い“DBR-M”型番の製品の2系列が混在する形になっており、本機は後者に属する製品となる。
M180は、8つのデジタルチューナーを搭載し、その内の6つで指定した地デジのチャンネルを録画し続ける「タイムシフトマシン機能」を搭載している。同様の機能を持つ製品が過去に存在しなかった訳ではないが、店頭販売され、かつ一般ユーザーでも購入できる単体製品としては初といっても構わないだろう。残る2つのチューナーは3波対応となっており、一般的なBDレコーダーと同様に番組指定での予約録画が可能だ。
チューナーの内訳は、タイムシフトマシン用の地上デジタルチューナー6つと通常録画用の3波対応デジタルチューナー2つ。内蔵HDDは計2.5Tバイトとなり、このうちタイムシフトマシン機能向けが2Tバイト、通常録画向けに0.5Tバイト(500Gバイト)が割り当てられている。BDXL対応のBDドライブを内蔵しており、BDメディアへのダビングはもちろん、DVDメディアへのAVCRECダビングにも対応。事実上、東芝のローカル規格となったHD RecでハイビジョンダビングされたDVDメディアの再生にもしっかりと対応している。なお、上位モデルにあたる「DBR-M190」は内蔵HDDが計5Tバイト、無線LAN内蔵という点が異なるのみで、ほかは本機とほぼ同じだ。
2011年春モデル(RD型番)との相違点をピックアップしておくと、録画番組のフォルダ、プレイリスト機能がなくなった。フォルダに関してはタグで代用できるほか、プレイリスト関連機能の1つである「おまかせプレイ」は残されている。このあたりはソフトウェアが録画機能付きテレビベースになった影響だろう。
背面端子からD端子が省略されたのは、AACSの規定により2011年以降はAACSで保護されたコンテンツ(市販BDビデオ、BDメディアにダビングされた録画番組、HDDへムーブバックされた録画番組など)のハイビジョン出力がHDMIのみに制限されることに合わせた措置と思われるが、同時にアナログ入力やi.Link端子も省略されており、規定変更を機にインタフェース類を整理したとも考えられる。
一方、DLNAクライアント機能や「TSUTAYA TV」「アクトビラ」「ひかりTV」といったVoDに対応したのはソフトウェアがテレビベースとなった恩恵ともいえる部分だろう。2011年春モデルの時点では、DLNAサーバ機能こそ備えていたものの、競合製品に少し見劣りしていた部分だったからだ。
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