ヤマハは7月12日、AVアンプの新製品として“AVENTAGE”(アベンタージュ)シリーズ3機種を発表した。9月上旬から順次発売する。
昨年から展開しているAVENTAGEシリーズは、「AV Entertainment for New Age」をキーワードにしたハイクラスAVアンプ。スマホ/タブレット用アプリ「AV CONTROLLER」によるリモート操作や、96Hz/24bit対応のネットワークレシーバー(DLNA1.5準拠)機能など、新しいトレンドを積極的に取り込んできた。今回の新製品では、アップルの「AirPlay」や「ハイレゾリューション・ミュージックエンハンサー」といった新機能を追加しつつ、オーディオ回路など基礎的な部分をブラッシュアップして音質の底上げを図ったという。
新機能のハイレゾリューション・ミュージックエンハンサーは、非圧縮(PCM、WAV)および可逆圧縮(FLAC)の音声に対して2倍オーバーサンプリング処理を行い、最大96kHz/24bit化するというもの。CDなど44.1kHzや48kHzの音声から「よりデリケートな音楽的表現を引き出す」(同社)。また、Blu-ray Discに収録されたドルビーTrueHDやDTS-HD MAサラウンド音声に対しても働く点もメリットだ。なお、処理には2個のDSPデバイスを利用するため、RX-A2020およびRX-A3020の上位2モデルにのみ採用されている。
映像の4Kパススルーおよびアップスケーリングは全モデル対応。BDなどはもちろん、S端子やコンポジット入力の480iまで4KにアップスケールしてHDMI出力が可能だ。また上位2モデルにはHQVのビデオ処理チップ「VHD 1900」を採用し、より柔軟なアップスケールが可能になっている。3モデルとも2つのHDMI出力を備えているが、RX-A3020だけは「ZONE2」をサポート(ほか2モデルは同時出力のみ)。メインルーム(HDMI1)とは異なるコンテンツを出力できる。このほかビデオ関連では、アクションゲームなどの用途を想定してビデオ回路をパスすることで遅延を1/1000〜1/1万秒にまで抑えたビデオモードなどが新しい。
春に登場した「RX-V773」から採用している「YPAO R.S.C.」(R.S.C;Reflected Sound Control)は、最大8カ所の計測結果から総合的に判断するマルチポイント計測に対応する音場補正機能だ。さらに今回は、付属のマイクを新型にして精度をアップした。
フロントプレゼンススピーカーを使用しない環境でもセリフ成分を画面中央に持ち上げる「VPS(バーチャルプレゼンススピーカー)+ダイアログリフト」機能もブラッシュアップ。これまではセリフを上に上げると音像が左右に広がる傾向があったが、セリフの帯域のみエンハンスをかけるイコライジング処理を追加したことで、リニアにセリフがリフトアップされるように改善している。
パワーアンプは、高速熱帰還型パワートランジスターと大容量制振ヒートシンクを採用した左右対称設計。また、RX-A3020ではDSDダイレクト入力をサポートした2ch対応DAC「DSD1796」(バーブラウン)を4個使用するなど、ハイクラスモデルらしい豪華な仕様になっている。
オーディオ入力部とD/Aコンバーター部の電位差を解消して微小信号の再生品位を高める「D.O.P.G.」(DAC on Pure Ground)コンセプトをさらに強化。大容量電源トランスやカーボンシース・ブロックケミコンを採用したオーディオ専用電源は従来機から継承したものだが、内部配線の経路短縮や使用部品の見直し、音質に関わるすべてのパートをリファインしたという。
そのほかの主な仕様は下表の通り。
型番 | RX-A3020 | RX-A2020 | RX-A1020 |
---|---|---|---|
概要 | 9.2ch(11.2ch拡張対応) | 9.2ch | 7.2ch |
定格出力(実用最大出力) | 150ワット/ch(230ワット/ch) | 140ワット/ch(220ワット/ch) | 110ワット/ch(170ワット/ch) |
シネマDSP | シネマDSP HD3対応 | 3Dモード対応 | |
HDMI入力 | 8(前面1) | ||
HDMI出力 | 2(同時、Zone出力対応) | 2(同時出力) | |
カラー | ブラック、ゴールド | ブラック | |
価格 | 28万3500円 | 19万9500円 | 12万6000円 |
発売時期 | 10月上旬 | 9月中旬 | 9月上旬 |
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