スカパー!JSATは8月2日、2012年度第1四半期決算説明会の中で、下期以降に「スカパー!サービスの抜本的改革」を実行するとした。「分かりにくい」といわれるサービス名称を一元化し、シンプルにするとともに、各サービスの位置づけも明確化してそれぞれを強化する。
現在、スカパー!のサービスは、「スカパー!」(スカパー!HD含む)、110度CSの「スカパー!e2」、光ファイバーを利用する「スカパー!光」など、伝送路に起因するサービス名称になっている。このため店頭やサポートセンターで一般顧客に説明する際、「説明が長く、難しくなりがちだった」(スカパー!JSATの高田真治社長)という。
同日発表した7月のサービス加入者数は、スカパー!e2がプラス1万2693件と伸張したものの、スカパー!のマイナス1万4648件などが響き、全体では2194件の純減。その理由の1つに商品説明の複雑さがあるとみている。同社の場合、サービス名称の変更などはパートナーである放送事業者の合意が必要となるが、「なんとか合意して秋には新たな展開を迎えたい」(高田氏)。
スカパー!サービスの抜本的改革では、まず「スカパー!」のもとにサービスブランド体系を一元化。具体的な名称などは“協議中”のため明らかにしていないが、「TV CMなどのマス広告や家電量販店の店頭で話をすると、すぐにサービスとリンクできるようにする。その後で、個々の家庭に合った受信環境を選ぶ」といった具合に、伝送路ありきのこれまでとは順番を逆にすることで、カスタマーリレーションを効率化する。
各サービスの位置づけも明確化。まずデジタルテレビの内蔵チューナーで視聴できるスカパー!e2はエントリーに位置づけ、「今あるテレビで見られるサービス」として訴求する。一方、別途チューナーは必要になるが、豊富なチャンネル数を誇るスカパー!をハイエンドサービスとし、パッケージ商品でも「ユーザーのこだわりに応えるプレミアムサービスの提供」を新設して差別化を図る。1年間の無料放送を実施している「BSスカパー!」は、引き続き“スカパー!のショーウインドー”としての役割を担う。
同社は9月29日から「スカパー!HD」第3期とし、HDチャンネルを121チャンネルまで拡大する計画だ(現在は88チャンネル)。さらにH.264対応のスカパー!HDチューナーでもSDチャンネル39チャンネルが視聴できるようにすることで、HD対応チューナーへの移行を加速する。量販店店頭でのチューナー販売も再開(マスプロ電工「CDT-700HD」、HUMAX「CS-HD300」の2機種)。さらに9月29日から10月8日まで、「秋の超拡大大開放デー」として無料視聴放送を実施するなど、大規模なプロモーションを予定しており、新しいブランド戦略も合わせて展開したいところだ。
「現在、各放送事業者と協議調整を進めており、合意後に改めて発表する。ユーザーはもちろん、販売の現場や放送事業者の期待にも応える大きな改革をやりたい」(高田社長)。
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