昨年の「IFA 2011」で初の4Kテレビであり、裸眼3D表示を可能にした「55ZL2」を発表した東芝。今年は84V型のパネルを採用した4Kテレビの商品化を発表し、さらに「レグザエンジンCEVO 4K」という新しい画像エンジンで差別化を図ろうとしている。今回は同社の展示内容と4Kへの取り組みについて、IFAに合わせて開催されたプレス説明会の内容と合わせて紹介していこう。
周知の通り、現在市場には4K出力(3840×2160ピクセル)が可能な動画コンテンツのソースがほとんど出回っておらず、ユーザーは主にBlu-rayなどで供給されるフルHD(1920×1080ピクセル)のコンテンツを楽しんでいるのが現状だ。もし4Kテレビを持っていたとしても、当面の間はこれらフルHDソースのものを流用するしかなく、アップコンバートに頼らざるを得ない。そこで各社の4K戦略の初期は、このアップコンバータでどれだけ美麗な映像を再現できるのか、画像エンジン改良の腕の見せ所になるといえる。東芝の場合、2013年モデルから搭載されるというこの「レグザエンジンCEVO 4K」がその役割を担う。
CEVO 4Kの特長は主に2つあり、「テクスチャーによる画像補完」と「輝き成分の再現」が高画質化のポイントとなる。4Kでは通常のフルHDに比べて4倍の解像度を持っており、そのままアップスケーリングしただけでは単にドットの荒さが目立つだけだ。そこで適時中間色でエッジ部分を滑らかにしたり、潰れた映像をテクスチャー補完で再現したりといった工夫が必要になり、この部分の差異が画像エンジンのチューニングの差異といえるだろう。
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