さて、すっかり“便利な「HDD&Blu-layレコーダー」としてわがシアタールームになじんでしまった「VALUESTAR G タイプW」だが、最後くらいは一応PCとしての活用方法を紹介していこうと考てみた。
……とはいっても、メールやオフィススイートを使うわけでも、ゲームタイトルを試してみるわけでもない。そんなカテゴリ違いのレビューをしても参考にはならないだろうと思うので、あくまでも筆者ならでは、AV目線で見る活用方法についてをチェックしてみよう。
というわけで、今回のテーマは『もっと「オーディオPC」として活用する』としてみた。
VALUESTAR G タイプWには、ヤマハと共同開発したウーファー付き2.1chスピーカーシステム「YAMAHAサウンドシステム」を搭載しており、そもそもテレビとしては──いや、PC標準スピーカーとして非常にぜいたくなクオリティのレベルを持っている。一般的にはそれで十分すぎるのだが、イマドキのちょっとこだわるPCオーディオ的なシステムとして考えると、より強化できる余地もある。
ということで、PCまわりで音質向上のため追加する1例として「USB DAC+アンプ+パッシブスピーカー」と「音楽プレーヤーソフト」を導入してみよう。それほど大きな手間やコストの負担をかけずとも、こういったカスタムでオーディオPCとしてさらに良好な実力を発揮してくれる。
なぜなら本機は、メーカー製オールインワンPCのわりに(……といっては失礼かもしれないが)音質的な素性がそもそもかなりよい。ヤマハと共同開発したYAMAHAサウンドシステムのインストールにおいて何らかの工夫が凝らされているとも想像できるが。同じUSB DACを接続して聞き比べたMacBook Air(MC505J/A Mac OS X 10.6.8)に対し、明らかに良質なサウンドを聞かせてくれる。MacBook Airはゼロスピンドル設計による有利さか、音質要素についてかなりのクオリティレベルを持ち合わせており、筆者は普段から試聴用のリファレンスマシンとして使用している。それよりも本機はSN感に優れ、詳細なニュアンスまでしっかりと伝えてくれるサウンドだと感じたのだ。
これには正直、かなり驚いた。一般的にデスクトップPCの方が電源容量に余裕があることから音楽再生に有利という声がある一方で、(よくある普通の)ATX電源からは盛大なスイッチングノイズが発生してしまう問題もあり、ノート型かデスクトップ型か、単純にどちらがよいかは選択しにくい。一応、コストや手間を考えると、しっかりと良質なバッテリーやACアダプタを組み合わせてあると仮定したノートPCの方が、一般的には“一定レベルの良質さ”は得やすい傾向はあると思う。そういった状況下で、本機はデスクトップPCではあるがACアダプタで動作することも有利に働いたのか、オーディオPCとしても十分に活用できそうな“音質的”な基礎体力の高さを持っていたのだ。
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