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第7回 USB DACを追加し、さらに高度な「オーディオPC」として活用する豪華仕様なAV+地デジPC「VALUESTAR W&VALUESTAR G タイプW」ロードテスト(2/2 ページ)

» 2013年03月18日 16時00分 公開
[ 野村ケンジ,ITmedia]
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VALUESTAR G タイプWに「USB DAC」を追加──音質向上は果たせるか

 では、外付けUSB DACの追加でどこまで本格的なサウンドをなるか、そして最近、高品位楽曲(ハイレゾ音源)配信のフォーマットとして普及し始めているDSDファイルをネイティブ再生できる環境までシステムアップできるか試してみよう。

 今回はラトックシステムのUSB DAC「RAL-DSDHA1」(発売時想定実売価格:7万2000円)を用い、そのライン出力(アナログRCA)をデスクトップ真空管アンプ Carot One「ERNESTOLO」に入れ、ブックシェルフ型パッシブスピーカー ハーマンインターナショナル「JBL 4306」で鳴らすシステムにてDSDファイルの再生環境を整えた。

photophotophoto 今回の視聴で用いた外付けPCオーディオシステム

 RAL-DSDHA1は音質に優れるDSDフォーマットに対応したモデルにおいてコストパフォーマンスに優れるモデルだ。192kHz/24ビットのリニアPCMとDSD方式の両方に対応し、特にDSDはDoP(DSD Audio over PCM Flames)方式によるネイティブ再生に対応するため、Windows 8で使うには独自のUSB Audio Class 2.0ドライバ(付属)をインストールして使用する。また、DSDファイルが再生可能な音楽プレーヤーソフト「foobar2000」をインストールしてチェックする。

 なお、foobar2000でのDSDファイル再生は、別途プラグイン(Super Audio CD Decoder)をインストールし、設定の変更を行う必要があるので少しややこしい。ただ、ラトックシステムが詳細な設定マニュアルを用意してくれているので、RAL-DSDHA1とfoobar2000でのDSDファイル再生に関しては比較的容易に導入が可能だ。蛇足だが、DSD再生において、Windows 8はWindows 7と微妙に設定が変わったようで、リリース当初は「(同じ設定のはずなのにDSDファイルを再生しても)音が出ない」との事例があったのだが、プラグインやドライバのバージョンアップによって2013年3月現在は問題なく音声出力ができるようになったようだ。

photophoto RAL-DSDHA1+foobar2000でDSDファイルを再生するための設定項目

 というわけで視聴すると、これがなかなか……ため息が出るほどずいぶんと本格的なサウンドになる。デスクトップだけで使うにはもったいないほどに空間的な広がりが大きく、しかも解像度感がしっかりと確保されたリアル感あふれるサウンドで楽しめるよう、そのクオリティが向上する。10畳くらいまでのプライベートルームにマッチする感じだ。

 一応、RAL-DSDHA1などのUSB DAC製品は本機のテレビ・AV統合ソフトウェア「SmartVision」からの音声出力に残念ながらうまく対応できず、SmartVionで録画した番組の再生はもとの内蔵音声出力に戻さなければならないことがある(注:筆者がいろいろ試した限りでは。設定により可能かもしれない)。ここは少し残念だが、作業としては音声(音楽再生)と映像(テレビ&番組再生)で用途別に音声出力を切り替えればよいだけなので、さりとて大きな手間ではない。

 ともあれ、VALUESTAR G タイプWはPCを本格オーディオプレーヤー/ネットワークプレーヤーとして活用する「PCオーディオ的」にも、大変優れる素質を持っていることが確認できた。

テレビ&レコーダーとしても、音楽プレーヤーとしても

photo  

 「VALUESTAR G タイプW」は、PCとしての多機能・高性能さは当然だが、AV機器目線でチェックしてもかなり優れたホームAVマシンである。

 特に録画/再生機能に関しては、2番組同時長時間録画+別チャンネル同時試聴(+ぱっと観テレビ機能)で、ネットワーク再生機能とともに3チューナーを違和感なく活用できる仕様、加えてPCだからこその特長を生かした使い勝手を実現する点は、こだわりAV層をも納得させられそうだ。ここは単にTVチューナーを内蔵しただけの液晶一体型PC/PC周辺機器に対する大きなアドバンテージだ。

 特に家庭用AV機器にはない“サクサク”した動作感、そして基本的なサウンド能力の資質のよさにかなりの好感を持った。普通の外付けHDDを買ってくれば手軽に録画容量が増やせるので、これまでのホームAV機器の悩み(DTCP-IPムーブなど一部方法を除き、HDDレコーダやテレビで比較的小容量の内蔵ストレージに録画した番組は機器を買い換えると再生できなくなる)も思いのほか手軽に解消できる。単純にHDD&Blu-layレコーダーとしてだけを考えてもいいし、さらにネットワーク再生/ハイレゾリューション音源再生を想定したPCオーディオシステムのベース機として導入するのも魅力的な選択肢である。


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