Windows 8は、仮に同じハードウェア仕様でも、それに入れ替えただけで速くなる理由がある。
Windows 8は最新のハードウェア技術に最適化しつつ、ARMプロセッサなど低速なハードウェアでも軽快に動作することを目指して設計されているからだ。高速化の要因をざっくり挙げよう。
高性能化しているGPUを3D描画/ゲームだけでなくてOSの日常操作にも活用することでCPUの負担を減らそう──というアプローチはWindows 7以前からもあったが、Windows 8ではInternet Explorer 10も含めて、それが徹底されている。Webブラウジングを含めて日常操作をシミュレートするベンチマークプログラムの「PCMark7」などで計るとその違いが期待できるだろう。
また、CPUのSIMD(Single Instruction Multiple Data:1回の命令で複数データに対する処理を同時に行う)演算リソースの活用も見逃せない。Windows 8では、これまでSSE(Streaming SIMD Extensions:ストリーミングSIMD拡張命令セット)、AVX(Advanced Vector Extensions:SSE後継のSIMD拡張命令セット)など拡張命令を使うマルチメディア系アプリケーションでしか使われていなかった演算リソースをOSレベルで活用する仕組みを取り入れており、主にJPEGなど圧縮画像の表示を高速化しているという。こちらもやはりPCMark7でのWebブラウジングや画像処理で効果が期待できる。
なお、常駐プロセス(実行ファイル)の削減、メモリ使用量の削減は、実使用感の「軽さ」に関わる部分だ。性能面ではベンチマークテストの数字に影響することはないかもしれないが、これらの点はバッテリー動作時間などに少し影響があるかもしれない。これらの要素をふまえながら、ベンチマークテストの結果を見てみよう。
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