第13回 Windows 8は低消費電力? 実際に計測して確かめてみたLaVie Z&LaVie G タイプZロードテスト(1/2 ページ)

» 2013年02月27日 17時00分 公開
[鈴木雅暢,ITmedia]

LaVie Zの消費電力をねっちり計測

photo Windows 8をインストールしたLaVie Z(LaVie G タイプZ カスタマイズモデル)

 改めて、今回の検証機としたLaVie Z(LaVie G タイプZ)のWindows 8モデル(2012年秋冬モデル)とWindows 7モデル(2012年夏モデル)だが、OS以外は基本ハードウェアスペックはまったく同じである(Core i7-3517U、4Gバイトメモリ、256GバイトSSD)。

 前回検証した通り、バッテリー動作時間が長いということは「Windows 8モデルのほうが実稼働時の消費電力が低い」ことを示すと仮定できる。その確証を得るため、簡易的だが実際の消費電力を計測してみよう。

 計測にはElectronic Educational Devicesのワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いた。もっとも今回は、ハードウェアスペックは共通、違いはOSのタスク/電源管理のみという性質上、単純なアイドル時/ピーク時を切り取った比較では違いを見るのが少し難しそうだ。このため、専用ソフトでBBench 1.01(Webブラウズ巡回)とPCMark7実行中のログを細かく記録し、電力の推移や一定期間の平均値を見ることで違いが見えないかと試みた。


photophoto 電力の測定に利用したElectronic Educational Devices「Watts up? PRO」。プラグに差したデバイスの電力/電流/電圧/電力量などを計測できる(写真=左) Watts up? PROのプラグにPCのACアダプタを接続、他方の計測用PCにUSB接続して消費電力量の値を記録した(写真=右)

 BBench 1.01の設定は前回のバッテリー実動作時間計測時と同じく、無線LAN(5GHz帯IEEE802.11n)で常時接続し、60秒間隔のWebサイト巡回、10秒間隔でキー入力とする作業を基本に、Webサイト巡回に使用するブラウザとしてWindows 8モデルはIE10、Windows 7モデルではIE9とIE10RPの3パターンで実施した。なお、消費電力はACアダプタ経由でのみしか(一般ユーザーとしては)計測できない関係上、バッテリーは100%充電状態としつつACアダプタに接続し、ディスプレイの輝度も100%にして行った。

 PCMark7については、CPUに大きな負荷がかかるCreativity SuitesとComputation Suitesを実行した。このテストは動画変換や画像処理、画像の取り込みなどを行う内容のものである。また、Windows 8モデルとWindows 7モデルでその終了時間が若干異なるため、終了後はそのまま少し放置し、双方が終わる+αの時間分となる500秒(8分20秒)間のログを記録した。

 一応、早く処理が終わればそれだけ早くアイドル状態に入れるので、時間単位での消費電力も有利になる。結果はそのあたりも考慮したうえで見てほしい。1回での計測では不確定要素も多いことから、どのパターンも3回ずつ計測している。

photo 新旧LaVie Z 消費電力の違い

 それぞれのパターンごとに抽出した平均値と最大値が上記の表だ。BBench(Webブラウズ)でもPCMark7(動画変換など)でも、Windows 8モデルはWindows 7モデルより明らかに消費電力が低い結果だった。一方、Windows 7にIE10RPをインストールした例は今回対象とした省電力という部分にはさほど寄与していないようだ。

 というわけで、この消費電力の測定は前回行ったバッテリー実動作時間の計測結果(約115%増/プラス40分弱の延長)を裏付ける結果になったと思える。Webブラウズ時平均のWindows 8モデルとWindows 7モデルの差は1ワット(最大値は約4ワット)。数値ではわずかな差に思えるかもしれないが、塵も積もれば山となる。実動時間でプラス40分弱もの差になったのだから、これは確実に大きな効果だろう。


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