「テレビPCのテレビ機能って、どう?」──。2011年7月の地デジ移行特需から約1年、そんな騒動のかなり前から地デジ環境を整えていた人にとって、DTCP-IP・DLNAでの番組配信/共有/持ち出し、あるいはスマートフォン/タブレットとの連携など、比較的最近の機種に搭載されるネットワーク連携機能がうらやましいと思うことがある。
もちろんそのまま家庭用AV機器を買い換え・追加するのもよいが、少し方向を変えて“テレビPC”という選択肢はどうだろう。3波(地上/BS/110度CS)デジタルWチューナー、長時間ダブルAVC録画、DCTP-IP対応のネットワーク番組配信機能、Blu-ray Discドライブによるメディア記録機能、高品位なスピーカー、洗練されたデザインなど、昨今の地デジPCも家庭用AV機器におけるスタンダードゾーンどころか、上位志向モデルに劣らない機能・特長を多く備えていたりする。
今回検証するNEC「VALUESTAR W(VW570/HS)」もそんなテレビ系機能をほぼ全部入りとした液晶一体型デスクトップPCだ。23型サイズとするプライベートルームに向くサイズ感のボディに、PC、フルHDテレビ、Blu-rayレコーダー、高音質オーディオ、ゲーム機用モニターの各種機能を集約した、なかなかぜいたくな仕様となっている。
ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示対応の23型ワイドだ。広視野角で低消費電力の「高色純度型スーパーシャインビューLED IPS液晶」とともに、利用するAV系ソフトウェア別に色調設定を行う高画質化機能「彩りプラスex」により、テレビっぽい色乗りのよい表示とPC使用時のベーシックな色調を自動的に切り替える仕組みが備わる。
本機は23型サイズと、PCとしては大型だがテレビとしては小型〜中型サイズにあたる。ただ、たいていはプライベートルーム・書斎の机に設置する機器ということで視聴距離が近く、それだけ相対的に大きく迫力のある映像で楽しめる。
サウンド面もPCの標準機能とは思えないほど良質だ。スピーカーはウーファー付きの2.1chシステムを備え、4ワット×4ワットのステレオスピーカーを正面に、ヤマハのSR-Bass方式を採用した8ワット出力のウーファーを裏面スタンド部に内蔵する。高音、セリフの音域もはっきり聞き取りやすいチタンコーンスピーカーに加え、SR-Bass方式のウーファーによりPC標準のスピーカーとは思えない低音を豊かに表現してくれる。映像、サウンドともに、プライベートルームで好みのコンテンツに没頭できるであろう、なかなかぜいたくな環境を1台で整えられる。
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