ウリとなるテレビ機能は、従来の3波デジタル対応ダブルチューナー(+ひかりTV)+ダブルトランスコーダ(最大16倍のダブル長時間AVC録画)対応のテレビチューナーに加え、3波チューナーをもう1つ搭載する。同社はこれを「3波トリプルチューナー仕様」と呼んでいる。
このプラス1つの3波チューナーが、Windowsの起動なしにパッとテレビが付く「ぱっと観テレビ」を実現する。ひと昔前のテレビPCは家庭用AV機器に対して「(PC起動後のソフトで機能するため)すぐ使えない」のが大きな弱点だったが、この機能の実装により弱点はほぼ解消されている。2012年5月現在、この手の機能はすでに他メーカーのテレビPCにも多く採用されているが、VALUESTAR Wのぱっと観テレビ機能はBSデジタルも110度CSもOKとする3波対応であること、そして番組表よりそのまま録画予約も行えるのがポイントだ。
普段のテレビ視聴だけなら、リモコンの「TV」ボタンでパッと番組を表示。表示以外に、番組表や録画予約も“ぱっと観テレビ”から行える。こちらはPC起動後のテレビ総合ソフト「SmartVision」へ録画予約情報が裏で送られる仕組みで実現する。このほか、ぱっと観テレビの起動とともにWindowsもその裏でひっそり起動させておくことも可能。テレビはもちろん、PCの起動といういわゆるAV機器とは違う概念もあまり感じずに済む工夫がなかなか心地よい。ともあれ、これだけでひとまず「普通のプライベートルーム向けテレビ」として普通に活用できる。
高度な録画予約や録画番組の再生、録画番組の編集、メディアへの記録などレコーダー的な機能は、PC起動後のテレビ総合ソフト「SmartVision」で行う。SmartVisionからは2つの3波チューナーを利用し、長時間録画時もチューナーのハードウェアトランスコードチップで処理するためCPU稼働率はほとんど上がらず、PC作業に影響は及ぼさない。番組の視聴は全画面はもちろん、子画面でのウインドウ表示も行えるので、PCで何かを作業しながら番組を表示する“ながら視聴”にも対応する。
また、キーボードとマウスの操作性+高解像度ディスプレイを生かし使い勝手もPCならではである。ズババッと一覧化した番組表よりマウスで一発選択できるうえ、「おまかせ録画」で指定するキーワードや入力時間などを手元のキーボードで細かく指定できるのは、PCに慣れた人であれば非常にしっくりくることだろう。
録画モード | ビットレート | 解像度 |
---|---|---|
ダイレクト | 放送波のまま(地デジ:17Mbps/BS CS:24Mbps) | 放送波のまま |
ファイン | 約8Mbps | 放送波のまま |
ファインロング | 約4Mbps | 放送波のまま |
セミファインロング | 約1.5Mbps | 放送波のまま |
ロング | 約2Mbps | 720×480ドットに縮小 |
スーパーロング | 約1.2Mbps | 720×480ドットに縮小 |
番組録画は、チューナー搭載のハードウェアトランスコードチップ(XCode 5シリーズ)により、同時に2チャンネル、フルハイビジョン解像度のまま最大16倍の長時間AVC録画が可能だ。録画モードは放送波をそのまま記録するダイレクト(1時間あたり最大約10.1Gバイト)から、リアルタイムAVC録画を行うファイン(約3.4Gバイト)やスーパーロング(同約520Mバイト)まで6種類より選択できる。同時にスマートフォン持ち出し用の解像度(640×340ドットなど)とする「外でもVIDEO」用データも一緒に生成しておける。下位のモードへは録画後も任意に変換できるので、ひとまずダイレクトモードで録画し、用途に応じてモードを変換する使い方もよいだろう。
おまかせ録画の機能は、新番組があれば自動的に録画する「新番組おまかせ録画」も便利。新番組は、時間帯別、ドラマ、アニメなどジャンル別に有効/無効を指定できる。とりあえずチェックはしておきたいと思うが忘れがちな、深夜アニメや新ドラマの初回チェックの取り逃し率は限りなく減りそうだ。
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