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» 2012年05月24日 17時00分 公開

テレビPCの「テレビ機能」はどれだけ便利か──3波“トリプル”チューナーの「VALUESTAR W」検証PCならではのテレビ連携機能とは(4/4 ページ)

[岩城俊介(撮影:矢野渉),ITmedia]
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CPUは第2世代のCore iシリーズ、PCパフォーマンスはそこそこだ

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 では、PCとしての基本仕様もチェックしよう。

 基本システムはノートPC向けのIntel HM77 Expressチップセット+Core i5-2450M(2.5GHz/最大3.1GHz)とする組み合わせに、4Gバイトのメインメモリ(PC3-10600対応4GバイトDDR3 SDRAM×1 空きスロット×1)、2TバイトのHDD(7200rpm)、BDXL対応Blu-ray Discドライブ、フルHD(1920×1080ドット)対応の23型ワイドIPS液晶ディスプレイを搭載、グラフィックスはCPU統合グラフィックスのIntel HD Graphics 3000を用いる。

 上位モデル(Core i7-2670QM搭載のVW970/HS、VW770/HS)含めてCPUは最新の“Ivy Bridge”ことインテルの第3世代Coreプロセッサー・ファミリーの採用は見送られたが、本機はデュアルコア/4スレッドの同時処理を可能とするCore i5-2450M、さらに上位モデルはクアッドコア/8スレッド同時処理のCore i7-2670QM(2.2GHz/最大3.1GHz)、メインメモリも標準で8Gバイト搭載と、いずれも家庭向けPCとしてはそこそこ高いパフォーマンスが望める構成といえる。


photophotophoto デバイスマネージャー画面の一部
photophoto LaVie L LL750/HS(第3世代Core i7-3610QM搭載)と比較したWindowsエクスペリエンスインデックス(左)、PCMark7(右)の結果
photophoto 同じくPCMarkVantage(左)、3DMark06(右)の結果
photophoto 同じくMHFベンチマーク【絆】(左)、ストリートファイターIVベンチマーク(右)の結果。ストリートファイターIVベンチマークは、「低負荷設定」アンチエイリアス:NONE、垂直同期:OFF、モデル:高、背景:高、ソフトシャドウ:低、セルフシャドウ:低、モーションブラー:低、パーティクル:中、エクストラタッチ:OFFにて、「高負荷設定」はアンチエイリアス:4xAA、ソフトシャドウ:高、セルフシャドウ:高、モーションブラー:高、パーティクル:高、エクストラタッチ:OFF、ほか同一にて実施
消費電力 VALUESTAR W VW570/HS
起動時 75ワット
アイドル時(高パフォーマンス) 66ワット
アイドル時(eco) 44ワット
テレビ起動 74ワット
テレビ録画 75ワット
ぱっと観テレビ起動 65ワット
高負荷時(PCMark Vantage動作) 85ワット
※ワットチェッカーで簡易計測

 今回は第3世代Core i7-3610QM搭載の「LaVie L(LL750/HS)」の結果と並べた。Webサイト表示やメール、オフィスアプリケーションなど、普段のPC作業における体感パフォーマンスに性能差はほぼ感じないが、第2世代のそれと比べてかなりグラフィックス性能を高めたというIntel HD Graphics 4000仕様のLaVie Lと比べると、やはりグラフィックス・ゲーム系の値に差が付いている。今回のVALUESTAR Wシリーズ(2012年夏モデル)は残念ながら第3世代Core プロセッサー・ファミリーは採用されなかったが、家庭用デスクトップPCとして、ノートモデルよりある程度のゲーム利用ニーズはあると思うので、次期モデル(2012年秋冬モデル)では全面刷新を望みたいところだ。

 インタフェースもかなり豊富で、ユーザーの使い勝手を考慮した構成だ。本体前面にヤマハ製ステレオスピーカー、USB 2.0×2、マルチメモリカードリーダー(SDXC対応SDメモリーカード、PRO-HG対応メモリースティックDuo)、720p撮影対応Webカメラ、ステレオマイクが備わる。前モデルと比べ、普段使う機会の多いいくつかの端子を側面から前面に移し、使い勝手を向上させている。

 本体左側面にはテレビ機能系(外部入力切り替え、ボリューム調整、チャンネル切り替え/放送波切り替え、明るさ調整/画面オフ)、USB 2.0×1(パワーオフUSB充電対応)、ヘッドフォン/マイク入出力、右側面はBlu-ray Discドライブ(トレー式)、USB 2.0×1、後面にHDMI入力×2、D4映像+RCA音声左右入力×1、テレビアンテナ入力、B-CASカードスロット(標準サイズ)、HDMI出力×1、ギガビットLAN、USB 3.0×4を実装する。


photophotophoto 本体前面と後面
photophotophoto 本体左側面と右側面。左右30度のスイベル調整が行える
photophotophoto 5センチの高さ、上向き20度のチルトも行える
photophoto ワイヤレスキーボードと本体と同色のマウス、リモコンが付属する。キーボードはキートップを透明樹脂で覆い、つややかできれいな“クリスタライズ”仕様となった。なお、テレビ操作に多用するリモコンも無線式なので、よくある赤外線リモコンのように画面に向けて操作しなくてもよく、テレビの前に何らかの障害物があっても大丈夫。これ、意外に便利なのだ。また、キーボードはスタンド下部にスチャッときれいにはまるよう工夫してある

 通信機能はギガビット対応有線LANとIEEE802.11a/b/g/n準拠の無線LAN(2.4GHz/5GHz帯対応)が備わる。本機はハイビジョンクラスのコンテンツを転送するネットワーク配信機能がウリ機能。ギガビット対応有線LANのほか、他機種では意外と軽視されがちな5GHz帯無線LANもしっかりサポートするのは好印象だ。

 テレビアンテナ入力は地デジとBSデジタル・110度CSを内部で分波するので、ケーブルの接続は1本で済む(ただ、家庭によってはそれぞれがすでに分かれていることもある。その場合は別途混合器を用いる必要が生じる)。HDMI出力やD4映像出力端子は、家庭用ゲーム機やAV機器の接続に利用でき、家庭用テレビと同様に入力を切り替えることで外部ディスプレイ代わりに活用可能だ(ただ、Windows 7上では機能しないので、キャプチャー用途などには利用できない)。このほか、RCA音声入力とポータブル音楽プレーヤーを接続し、本機のYAMAHAスピーカーシステムで音楽を楽しむのもよいだろう。HDMI出力も備えるので、別途HDMI入力付きディスプレイを用意し、Windows上でのデュアルディスプレイ運用も行える。

photophoto HDMI入力×2/D4入力+RCA音声入力を備える。ゲーム機やBlu-rayレコーダー、音楽プレーヤーなどを接続し、本機を外部ディスプレイ/オーディオシステムとして活用可能だ。無線LANはIEEE802.11a/b/g/n準拠で、スタンダードな2.4GHz帯に加え、より高速に安定して無線通信できる5GHz帯無線LANもサポートする

“ほぼ全部入りを1台にまとめて”を望む家族、1人暮らし層に

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 VALUESTAR Wを家庭に導入すれば、PC、テレビ、レコーダー、音楽プレーヤーとなる1台4役の機能に加え、ほかのPCやスマートフォン、タブレットが「家中どこでもテレビ」や「お風呂テレビ」に、さらに「テレビアンテナのない部屋も地デジ対応に」──このような利活用シーンを比較的手軽に実現できるようになる。

 こちらは、ロンドンオリンピック(今回は時差9時間)の視聴・録画を機会にPCもテレビ・レコーダーをまとめて導入したいと考える家族層、あるいはひとり暮らしの人に特にマッチする。自宅用に“ほぼ全部入りを1台にまとめて”を望むなら、夏ボーナスなどで購入する有力候補と勧められる1台だ。


ひとりごと

 一方で、家のテレビ系機能を現在のAV機器類はそのままに最新のネットワーク配信対応にグレードアップしたい人にとっては、機能はとても魅力。でも価格が……となってしまうことだろう。今回試用したVW570/HSはVALUESTAR Wの下位グレードのモデルだが、それでも発売時の実売価格は20万5000円前後と想定される。普通のBlu-rayレコーダーでよいだろうし、7月には同様のことを実現できてしまう「nasne」が発売されることもあろう。

 とはいえ本機のテレビ機能にはかなりの魅力を感じたのも事実。DTCP-IPサーバソフトに比較的汎用性のあるDiXiMのものを採用することで「ホームネットワークは自社該当機種のみしかつながらない」などいった例は少ないと思われ、他メーカーのテレビPC/AV機器にありがちな何らかのしがらみがないためか「再生中の自動スキップ」も行えたりする。

 そうか。NECには、かつてかなりとんがっていたHDDレコーダー「ホームAVサーバ AXシリーズ」があった。ちなみにテレビチューナー非搭載PC向けDNLAソフトウェアとして前述した「SmartVision/PLAYER」、実はAXシリーズ用のPC再生ソフトウェアのリバイバル版である。

 ということで、VALUESTAER Wのテレビ機能だけ単体でほしいのですが、SmartVision/PLAYERだけでなく、AXシリーズの復活は……ないですかね。


NEC Direct(NECダイレクト)

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