ソニーの「STR-DN1040」は、直販価格で5万円を切る低価格モデルながら、かなり力の入ったAVアンプだ。しかし、ラインアップのすぐ上には、昨年末にコストパフォーマンスの高さで注目を集めた上位機「STR-DN2030」が存在する。価格差もわずかなこの2機種はどのように違うのか。ソニーでAVアンプの開発を担当する渡辺忠敏氏に話を交えつつ、比較してみよう。
最初に両モデルの価格を整理しておくと、新製品「STR-DN1040」は定価が6万8250円で、直販サイト「ソニーストア」では4万9800円になっている。一方、昨年末に登場した「STR-DN2030」は定価こそ8万4000円だが、ソニーストアで5万9800円とわずか1万円差。また発売から半年が経過していることもあり、既にSTR-DN1040と同レベルになっている店舗もある。
非常に微妙な立ち位置にある両機だが、外観は一見して大きく違う。新デザインを採用した「STR-DN1040」はフロントマスクがフラットになり、従来のソニー製AVアンプのイメージとは趣が変わった。渡辺氏によると、「すっきりとしたフラットデザインは欧州で好まれる傾向があります。また、従来機のようにフロントパネルに段差があると、棚に入れたときに操作しにくいことも考慮しています」という。
ネットワーク関連の機能は、両者の違いがハッキリ出る部分だ。新しい「STR-DN1040」は、Wi-Fiを内蔵してネットワーク接続を簡単にしたうえで、アップルの「AriPlay」にも対応した。またBluetoothも標準搭載し、iOS/Android端末を問わずワイヤレス再生が行える。「追加投資なしでAirPlayとBluetoothの両方を使えるのは、現行モデルではソニー製品だけ」(同氏)。さらにWindows 8もサポート。PCで楽曲再生中に「チャームバー」を呼び出すと、PC内蔵スピーカーやAVアンプといった出力デバイスの切り替えが可能になる。AirPlayと似た操作がWindows 8搭載機でも行えるわけだ。
ただし、DLNAベースのネットワークオーディオ再生では少し制約がある。Wi-Fi接続でもMP3、AAC、WMA、WAV、FLACといった多くのフォーマットをサポートしているが、「Wi-Fiでは音が途切れる可能性があり、WAVやFLACは最大48kHz/24bitまで」(同氏)。96kHz/24bitや192kHz/24bitのハイレゾ音源を再生したいときは有線LAN接続する必要があり、その際もステレオソースに限られるのだ。
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