パイオニアが11月下旬に発売した「SBX-N700」は、MiracastやBluetoothトランスミッターなど、サウンドバー初の機能をいくつも搭載したユニークな製品だ。ただ、決して高級モデルというわけではなく、そのほかの部分はシンプルになっている面も多い。「SBX-N700」と兄弟モデル「SBX-N500」「SBX-300」について、その製品コンセプトと販売戦略を聞いた。
市場調査によると、サウンドバータイプを含む“パッケージシアター”市場におけるパイオニアのシェアは2位。1位のソニーが頭ひとつ飛び抜け、その後をヤマハとパイオニアが追いかけている状況だ。「昨年秋のHTPシリーズ投入以来、メーカーシェアが10%前後から20%前後まで増えて2位争いに食い込むことができた。今年はテレビの音を強化するだけではなく、利用シーンを広げる提案により、さらにシェアを拡大したい」(同社)。
そのための新機能の1つが、Miracastだ。Wi-Fi Allianceが規格化したスクリーンミラーリング技術で、対応するスマートフォンやタブレット端末から画面と音声をワイヤレスでテレビに転送できる。「Youtube」などの動画配信サービスを大画面で楽しむことも可能だ。
またMiracastは、Wi-Fi Directによる接続を前提としているため、互いのデバイスがMiracastに対応していれば無線LANアクセスポイントがない環境でも画面共有が可能。ただし、テレビへの採用が本格化したのは今年の春モデル以降のため、数としてはまだ少ない。そこでテレビと接続するサウンドバーにMiracastを搭載し、旧型テレビでも最新機能を使えるようにしたというわけだ。
パイオニアではコアとなるターゲットユーザー層を“家族持ちの30代男性”としており、「家族を撮影した動画や写真などをスマホの小さな画面で頭を付きあわせて見るのではなく、テレビの大画面で楽しんでほしい」と提案している。また、iOS端末などMiracastをサポートしていないスマートフォンなどでも同様のことが行えるよう、DLNA 1.5のクライアント機能も設けた。著作権保護技術のDTCP-IPには非対応のため録画番組のネットワーク視聴などは行えないが、iOS用アプリ「iMedia Share」などを使ってプライベートビデオや写真の表示、楽曲再生などが可能になる(注:サードパーティー製アプリの動作はメーカー保証外)。
もう1つ、利用シーンを広げる新機能が「Bluetoothトランスミッター」。他社製品を含め、Bluetoothを使ってサウンドバーを音楽再生にも活用する動きは広がっているが、パイオニアでは1歩進めてBluetoothトランスミッター機能を追加した。「例えばキッチンにいるお母さんにはテレビの音が聞こえにくいケースも多い。Bluetoothスピーカーがあれば、サウンドバーに入力される音声をワイヤレス送信し、近くで再生するといった使い方ができる」(同社)。
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