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“サウンドバー初”の機能で利用シーンを広げるパイオニア「SBX-N700」MiracastにBluetoothトランスミッター(2/2 ページ)

» 2013年12月02日 17時53分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 一方、今回の新製品ラインアップには、価格を抑えるためにあえてシンプルに仕上げられた部分もある。例えば入力端子はHDMI入力が設けられておらず、2系統の光デジタル入力とUSB、そしてフロントパネルの3.5ミリステレオミニ入力のみ(SBX-300はUSBがない変わり、同軸デジタル1系統も用意)。それに伴い、Blu-ray DiscのHDオーディオ(DTS-HD MAおよびドルビーTrueHD)には非対応で、ドルビーデジタルやDTSといった「コアな部分のみ」(同社)のサポートとなっている。

Bluetoothで楽曲をワイヤレス再生中。音声コーデックはSBCのみ対応する(左)。入出力端子(右)

シンプルながら音質には注力

 サウンドバーのスピーカー構成は2.2ch。前方に向けて左右に66ミリ径のフルレンジスピーカーを設け、さらに77ミリ径のサブウーファーを下向きに配置している。新製品の3機種は、内蔵アンプの出力に差はあるものの、音響部の基本構成は共通だ。

 また、フロントL/Rのフルレンジユニットは、単品スピーカーとして販売していた「PE-101A」のノウハウを活用してワイドレンジ化を図った。PE-101Aといえば、1977年に発売された名機「PE-101」をベースに先進の機能を加えた“Advance”モデルで、2008年には単品販売も行われている。このときに開発したカッパーリングや銅キャップなどの技術を今回のフルレンジユニットでも採用している。

フロントには66ミリフルレンジ、底面に2つのサブウーファーを搭載した(右)

 「ボイスコイルに純銅のキャップを装着することで音のひずみを抑制し、高音まで伸びやかに鳴らす。PE-101Aは100ミリ径、今回は66ミリ径とサイズは異なるが、小径ユニットを鳴らすノウハウは同じだ」(同社)。

 さらに、同社製AVアンプでおなじみの「フェイズコントロール」もサウンドバーに初搭載。フェイズコントロールは、映画BDなどの再生時に低音と中高域の音のズレを補正し、音のつながりを改善する技術だ。なお、「SBX-N700」のワイヤレスサブウーファー使用時にも動作するという。

 実際に音を聴いてみると、本体下部のツインサブウーファーだけでもかなり低域の量感は確保できていることが分かった。しかし、ワイヤレスサブウーファーを「オン」にすると、それまでは聴けなかった重低音が追加され、迫力は飛躍的に増す印象だ。音楽中心の使い方ならワイヤレスサブウーファーなしの「SBX-N500」「SBX-300」でも良いが、アクション映画などの重低音も楽しみたいのであれば、やはり最上位モデルを第1候補に挙げるべきだろう。

 いずれにしても、単品コンポの技術を導入してオーディオとしての品位を高めているのは確かだ。パイオニアでは、「映画やテレビ番組のみならず、音楽再生にも適したサウンドバーを作ることができた。BluetoothやDLNAによるオーディオ再生も含め、テレビがオフの時にも使える“ワンランク上のサウンドバー”をとして訴求したい」と話している。

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