フジヤエービック主催の「春のヘッドフォン祭 2014」が5月10日と11日に開催された。会場となった東京・中野サンプラザには朝らか大勢のオーディオファンが詰めかけ、初日は3000部用意してあった公式パンフレットがなくなり、急きょ追加したほど。同社では初日だけで4000人前後が来場したと推定している。
開催場所が4年ぶりにフジヤエービックの地元に戻ったこともあり、今回のヘッドフォン祭は「原点に返る」が1つのテーマとなった。ライブなどの催しものは控えめとし、“オーディオイベント”本来の展示や試聴がメインとなった。
その展示会場は、中野サンプラザの6階、11階、13階〜15階の5フロアを使用して90以上のメーカーや団体がブースを構えている。新製品や今後発売される予定の試作機をピックアップして紹介していこう。
ゼンハイザーブースには、「MOMENTUM」の新色アイボリーが初登場。ほかに先日発表されたDJ向けの密閉ダイナミック型ヘッドフォン「HD 8 DJ」「HD 7 DJ」「HD 6 Mix」も一般には初公開となった。
サエクコマースは、ダイナミックモーション「DM008」の上位機となる「DM008P」の試作機を展示した。今回はアルミ削りだしハウジングを採用したフルメタル版だ。スペックに変化はないが、「聴き疲れしない音はそのままに、質感や響き感がアップした」という。6月下旬発売予定で、価格は2万円前後になる見込みだ(予価)。
シュア・ジャパンブースでは、5月7日に発表したばかりの「SE112」が人気だ。デザインは今までと少し異なる印象で、丸を基調としたハウジングはグレーとブラックの落ち着いた配色になっている。またダイナミック型1基のエントリーモデルながら、耳の上側にケーブルを掛ける“シュア掛け”が可能。来場客に装着方法をアピールしていた。
フロンティアファクトリーも前日に発表した米Klipschの新製品「Reference R6/R6i」を展示している。Klipschといえば劇場などの大型スピーカーシステムなども作る老舗音響メーカーだ。そんな同社のホームシアター用スピーカーとして歴史のある「Reference」シリーズを担当する音響エンジニアリングチームや工業デザイナーが、設計技術などを提供して「伝統の音」実現したという。5月23日に発売予定で、店頭では「Reference R6」が8400円前後(税別)、iOSデバイス向けのリモコンを備えた「Reference R6i」は9400円前後になる見込み。
フォーカルポイントは、英ATOMIC FLOYDの新しいカナル型イヤフォン「SuperDarts Titanium +Remote」をお披露目した。航空宇宙グレードのチタンを採用したハウジングに9ミリ径のダイナミック型とバランスド・アーマチュア型を収めたハイブリッドタイプで、チタン色の外装が渋い。価格は4万6000円(税別)で、6月上旬に発売する予定だ。
Fitear(フィットイヤー)ブースでは、「FitEar TO GO!334」や「Parterre」(パルテール)に続くユニバーサルタイプの白い試作機を展示、試聴も可能な状態にしていた。ドライバー構成などは非公開で、価格や発売時期も未定だ。
フルテックは、ADL(Alpha Design Labs)ブランドのヘッドフォン第2弾「H128」を参考展示した。外形は「H118」と共通でドライバー径も40ミリのままだが、新たに自社で開発したドライバーに変わっているという。また革風のヘッドバンドや3つのカラーバリエーション(ブラウン、ブルー、レッド)などで全体の質感も向上させた。年内には上位機としてラインアップに加える方針だ。価格は未定。
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