マランツは9月3日、USB-DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「HD-DAC1」を発表した。同社としては初めての製品でありながら、「マランツが求めてきたアンプの“1つの完成形”」(マランツ音質担当マネージャーの澤田龍一氏)という自信作だ。10月上旬に10万8000円(税別)で発売する。
シルバーゴールドの筐体(きょうたい)に、円形の表示部やサイドウッドで高級感を醸し出す。サイズは250(幅)×90(高さ)×270(奥行き)ミリと据え置き型としては小さめ。デスクトップにコンパクトなPCオーディオシステムを構築できるという。筐体は底板を追加して重心を下げ、振動の影響を抑制する“ダブルレイヤードシャーシ”構造。脚部には専用開発のアルミダイキャストインシュレーターを備えた。
DACチップは、同社製SACDプレーヤーなどで採用実績のあるシーラスロジックの「CS4398」を使った。CS4398は、DSD信号のダイレクトD/A変換と最大192kHz/24bitのPCM信号に対応する。DSDは2.8MHzおよび5.6MHzを再生可能。ASIOドライバーとDoPによるネイティブ再生の両方に対応する。
同社によると、USB周りの回路構成は、昨年春に発売したUSB-DAC内蔵ネットワークプレーヤー「NA8005」のUSB部とほぼ共通だという。どちらもフラグシップモデル「NA-11S1」で開発した「デジタル・アイソレーションシステム」や「デュアル・クリスタル・クロック」を搭載し、ノイズとジッターの低減に力を入れている。ただし、NA8005と比べるとアイソレーターは6個12回路から8個18回路に増えた。「今回はミュートやゲインのコントロール信号をアイソレーターを通している。その分、回路が増えている」(澤田氏)。
さらに特徴的なのはアナログ部だ。「NA8005」と同様の回路構成でフルディスクリート回路とし、電圧増幅段には「HDAM-SA2」による電流帰還型回路を、またヘッドフォンを駆動する出力段には新規に開発したというフルディスクリート構成の「無帰還型バッファーアンプ」を採用している。
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