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シャープに聞いた4Kテレビ拡販戦略――そして8Kのこと(1/2 ページ)

» 2014年12月01日 23時48分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 2014年は、本当の意味で“4K元年”になった。NexTV-Fによる試験放送が始まり、市場では製品ラインアップの拡大に低価格化も手伝って大画面4Kテレビが伸びている。GfK Japanの調査では、11月第2週に50V型以上の大画面テレビ販売における金額構成比で始めて4Kテレビが50%を超えた。

 テレビ全体の出荷数はまたエコポイント以前の水準には戻っていないものの、過去数年にわたって特需の反動減に悩まされ続けてきたテレビメーカーには明るい材料だ。中でもシャープは、この冬から“AQUOS”のTV CMを再開するなど、反転攻勢に臨もうとしている。同社デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第1事業部の戸祭正信事業部長と、国内営業統括の居石勘資氏に戦略を聞いた。

シャープ、デジタル情報家電事業本部液晶デジタルシステム第1事業部の戸祭正信事業部長(左)とデジタル情報家電事業本部国内営業統括の居石勘資氏(右)

 シャープは今年、「UD20」「US20」「U20」と3シリーズの4Kテレビをそろえた。一方、クアトロンのパネル構造(UV2AとRGBYサブピクセル)を活かして解像感を増した「クアトロン プロ」の「XL20」シリーズを“プレミアム2K”と位置づけている。4Kの一般化でプレミアム2Kの役割は小さくなると思われがちだが、戸祭氏は色再現性や画面輝度、価格などいくつかの点でアドバンテージがあると指摘する。

 「4原色で4K相当の解像感を見せられることに加え、画面の明るさも重要です。ユーザーにとっては明るさも1つの尺度。この点では、また明らかに2Kのほうがメリットが大きいでしょう。しっかりした価値観があれば、選択肢を増やすことには十分に意味があります」。

 販売の現場でも“選択肢”は重要だ。国内営業を統括している居石勘資氏によると、量販店の店頭ではボリュームゾーン(エントリー機)のフルHDモデルとクアトロンプロ、4Kテレビを並べ、3つの選択肢を提示しているという。例えば60V型なら売れ筋はクアトロンの「60G9」だが、その左に「50U20」など一回り小さい4Kテレビ、右側には60V型のクアトロンプロ「60XL20」を陳列する。「フルHDは10万円台からありますが、4KでもU20なら50V型が25万円前後。一方でクアトロンプロのXL20も60V型は同程度の値段です。高精細が良いのか、思い切ってインチアップするのか、選択肢を提示できます」(居石氏)。

買い替え需要を狙う

 一方、今年後半からは4Kのネイティブコンテンツが視聴できるようになり、シャープはそれを体験する場所作りにも力を入れた。「今までのテレビよりキレイ」と訴えるより、実際に4Kコンテンツを見てもらうのが一番の“つかみ”になるからだ。「現在、Channel 4Kを視聴できる販売店が全国に1000店以上あります。また10月27日にスタートしたNTTぷららのVoDも1000店ほどで視聴できます。30Mbpsの帯域幅が必要なのでCSアンテナ以上に準備に手こずったようですが、それでも4Kネイティブコンテンツに接することのできる体制を作り上げつつあります」。

「ひかりTV 4K」をサポート

 現在の主要ターゲットは、7〜10年前に薄型テレビを購入した人たち。2004年から2007年の間、37V型以上という当時の“大画面テレビ”は約700万台が販売された。しかも、その半分がシャープのAQUOSだった。「25型くらいのブラウン管テレビから大画面の薄型テレビへと大胆に投資した人たちです。例えば当時の購入金額が25万円だったら、同じ金額で今は何を求めるでしょうか。中には60V型など、より大画面の製品を選ぶ人もいますが、(40〜50V型で)4Kにいく人たちが圧倒的に多いです」。

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