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» 2014年12月01日 23時48分 公開

シャープに聞いた4Kテレビ拡販戦略――そして8Kのこと(2/2 ページ)

[芹澤隆徳,ITmedia]
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 とくに地域の専門店(街の電気屋さん)では4Kテレビの比率が高い傾向にある。昔ながらの地域店は、経済的に余裕のあるお年寄りを中心に固定客を抱えており、価格を見ずに「一番いいテレビをくれ」といわれるケースも少なくないという。また地域店が商談会(得意客を招く商談イベント。系列店が集まって大きなイベントにすることも多い)を催せば、4Kテレビが3割近くに達することも珍しくない。中にはテレビ販売数の半数近くが大画面4Kテレビというお店もあるという。


 もちろん高額な買い物に迷う人も多いが、最近は「2020年は、このテレビで迎えますよね」というキーワードが効くそうだ。今はオーバースペックに感じても、6年後には4Kが当たり前になっているかもしれない。なにより半世紀ぶりの「東京オリンピック」は、画質の良い大画面テレビで見たい。そうしたニーズに応えることで、「地域店の買い替えでは4Kテレビがすんなりと売れる」という状況になったという。これもオリンピックの経済効果の1つといえるだろう。

フルスペック8Kは鋭意開発中

「CEATEC JAPAN2014」で展示した「フルスペック8K」

 もっとも、東京オリンピックの前に、さらに高精細な8Kテレビも登場する可能性がある。2年後の2016年、8Kの試験放送が開始される予定で、同社はNHK放送技術研究所などと協力して8Kの開発にも注力している。戸祭氏は、8Kテレビの製品化スケジュールについてはノーコメントとしながら、「今まさに検討と開発を進めているところです」と話す。

 「10月に幕張メッセで開催されたCEATEC JAPAN2014では、85V型と98V型という、2つの8Kディスプレイを展示しました。1つはコンシューマー向け、もう1つはB to B市場向けです。当初はおそらく高額商品になるので、B to Bから展開していくことになるでしょう」。

 CATECでは、中国BOEの98V型8Kディスプレイも展示されて注目を集めたが、戸祭氏は「色域や動作周波数を見比べてほしい」と話す。シャープの85V型展示機は、ITU-Rのテレビジョン委員会が打ち出したUltraHD規格「BT.2020」に迫るスペックを実現し、「フルスペック8K」というおなじみのフレーズを冠した。

 このフルスペック8Kでは、液晶パネルの動作周波数が120Hz(毎秒120フレーム)と現在の倍。色域も現行HD規格より大幅に拡大した。「8Kテレビの製品化までには、重量や電源の問題、フチ(フレーム幅)など、いくつものハードルを超えなければなりません。色域もBT.2020に近づけようと、さまざまなことをやろうとしています」(戸祭氏)。

 もちろん、8Kの開発で培った技術は、現在の4KテレビやフルHDテレビにも導入されるはず。今後の製品展開に期待しよう。

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