スカパーJSATは12月24日、同社が2015年春に開局する4K専門チャンネルの概要を発表した。高精細な4K映像で映画を楽しめる「スカパー!4K映画」、さまざまなジャンルを網羅する「スカパー!4K総合」の2チャンネルを3月1日から放送する。
いずれも東経124/128度CSを利用するスカパー!プレミアムサービスのチャンネル。このうち「スカパー!4K映画」は、洋画/邦画の新作/旧作を織り交ぜ、4Kスキャニングマスター版をPPV(ペイ・パー・ビュー)方式で提供するという。「現在、ハリウッドのスタジオや国内の配給会社と交渉を進めている。年間50本程度――毎週1本程度は新しい作品を放送できることを目指している」(スカパーJSAT、執行役員常務放送事業本部長の小牧次郎氏)。
PPV方式を採用したのは、「現時点でこの方式が最も権利関係をクリアにしやすいから」(同氏)。料金は、基本的に1本あたり500円から700円(税別)を想定している。
一方の「スカパー!4K総合」は、スポーツからバラエティ、ドキュメンタリーまで幅広くカバーする総合編成。スカパー!プレミアムサービスの有料チャンネル契約者なら追加料金なしで視聴できるようにする。現在、決まっている番組としては、J1リーグを毎節1試合生中継すること。またネイチャー系ドキュメンタリーなど海外制作の優良番組も放送する予定だ。「総合エンターテイメントをうたうチャンネル。毎月4Kオリジナルの新作番組を放送する」(同氏)。
またスカパーJSATでは、全国の放送局や番組制作会社、広告代理店などを対象として4K番組の新しい企画を公募することも明らかにした。実は今回の発表会には報道関係者のほか、全国から300人近い放送業界関係者が参加していた。これまで同社と関係のあった業者を急きょ集めたという。
公募するのは、「スカパー!4K総合」で放送する3月ぶんの番組企画。スカパーJSATが最大2億円をかけ、制作費の全体または一部を負担する。ジャンルは問わないが、4K放送の高精細さや色彩を活かせるもので、これまで放送したことのないもの。さらに3月中に初回放送ができることが前提条件として挙げられた。
企画書の応募締め切りは2015年の1月9日。「日本の年末年始の風習に反した、ひどい企画」(小牧氏)だ。にも関わらず、このタイミングで公表した背景には、3月の4K放送開始にあたり“目玉”となるコンテンツが不足していたことがある。小牧氏は、「これまでも個々にクローズドな交渉を重ねてきたが、どうしても花鳥風月(=自然をテーマにした番組の意味)に偏ってしまう。もちろん、それも放送するが、それだけではないと宣言したかった」と胸の内を語る。
「われわれは“尺”を延ばしたいわけではない(=放送する番組が足りないわけではない)。4K専門チャンネル開局の話題性、プレミアム性を最大化するための目玉がほしい」(小牧氏)。
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