ドイツ・ベルリンで4日に開幕した家電見本市「IFA 2015」。白物家電メーカーのブースを見渡すと、昨年、一昨年と比べて驚くような新技術や分かりやすいトレンドといったものが見当たらず、むしろ身近な生活シーンを提案し、現実的なユーザーベネフィットをしっかりと訴求する展示が増えた印象を受ける。
例えば話題のIoT(Internet of Things)分野も同様で、昨年まで「未来の絵物語」か、プロトタイプ感が満載だったアイテムやサービスの多くが、「目の前の現実」もしくは「ローンチが決まった」というものが増えた。また、各種家電と家が連動したようなスマートハウスも興味深いものが多くある。その中から注目の展示をいくつか紹介する。
まずはフィリップス。“Innovation and you”という企業メッセージとして掲げる同社は、どちらかというと伝統的な側面が色濃く残る欧州白物家電業界のなかで、以前からIoT分野に積極的なメーカーだ。今年もヘルス分野や調理家電分野などでその動きが加速している。
日本でもローンチしたばかりの電動シェーバー「7000シリーズ」。IFAでは今年10月以降に発売されるスマート化された「7000シリーズ」の新モデルが発表された。こちらはスマートデバイスのアプリと連動することで、7000シリーズのうたう“史上最高のそり味の優しさ”をさらに突き詰めたもの。アプリ内で常にユーザーの肌に最適な回転刃のスピードを設定できるのが特長だ。
アプリではそった日付や時間はもちろん、その時の回転数、肌に押し当てた際の圧、トラッキング表示できるほか、バッテリーの残り時間なども一目で分かる。また、そり終わった時に、アプリが自身の肌の状態などについて質問してくるので、それに答えていくと肌に対して最適なモードで毎日そることができる、という仕組みだ。同社では21日間使い続けることで、健康な肌を実感できるとしている。
一方、調理家電にもアプリと連動するものが複数登場していた。そのなかの1つ「マルチクッカー」は、煮込み系調理や焼き系料理、スープ類をはじめ、さまざまな料理に使えるアイテムだが、こちらもアプリと連動することで、普段料理をしない人や料理が苦手な人でも、スマホで料理ができるという。
アプリには100種類くらいのレシピが登録されており、それぞれ細かく摂取できる栄養素なども説明されている。さらに調理を進める際、次の調理ステップなどをアプリがその都度スマートフォンで教えてくれるので、料理初心者でも指示に従うだけで美味しい料理を作れるという。また、忙しい主婦などはキッチンにいなくても「マルチクッカー」の状態を遠隔から確認でき、その場にいなくても料理ができるのはうれしい。
今回は「マルチクッカー」「コーヒーメーカー」などの調理家電がアプリとの連動を展示していたが、同社では「将来的にはすべての調理家電がアプリとつながることを目指す」と話していた。
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