ポータブルオーディオプレイヤーながら、本格的な据え置き型コンポーネントに肉迫する音質と機能・拡張性を実現、そして価格も超トップクラスという製品も徐々に増えつつある。その代表格が韓国iriverのAstell&Kernブランドから今年発売された超弩級フラグシップ「AK380」だ。直販サイトでの販売価格は税込で49万9980円。
旭化成エレクトロニクス製のステレオ32bitプレミアムDAC ICチップ「AK4490」をデュアルで搭載。ハイレゾ音源はリニアPCM系が最大384kHz/32bitの“ネイティブ再生”をサポートしている。DSDのネイティブ再生は5.6MHz対応。内部回路はグラウンドまでL/R分離構成の完全デュアルモノラルDAC設計。ヘッドホン出力は2.5mmのミニ端子1基によるバランス出力も可能だ。ジッターノイズを極限まで抑える「VCXO(電圧制御水晶発振器)」の搭載や、音質を徹底的にカスタマイズできるパラメトリックEQ内蔵など見所も枚挙に暇がない。プラットフォームはAndroidベースで、Wi-Fi経由でNASやPCに保存したハイレゾ音源が再生できたり、ハイレゾ音源の配信サイト「groovers+」と連携して、AK380をネットにつないで直接楽曲がダウンロード購入できる。本機の背中に装着する専用のポータブルヘッドフォンアンプが発売されたほか、今後はクレードルやCDリッパーなどエクステンション対応の専用アクセサリーも続々と拡張される計画もあるそうだ。
この超弩級フラグシップの高音質思想を受け継ぐ、Astell&Kernのエントリーモデルが「AK Jr」というプレイヤーだ。直販サイトでの税込販売価格は6万9800円。わずか8.9ミリという薄型設計に、質量は98グラムと持ち歩きに最適。Wolfson製のDACチップ「WM8740」を搭載し、リニアPCM系は192kHz/24bitまでサポート。リニアPCM変換になるがDSDも2.8MHzまでかけられる。本体には64Gバイトのストレージを内蔵したほか、microSDカードでストレージの拡張もできる。本体は上質なアルミボディ。背面には強固なゴリラガラスを搭載し、上位機譲りの堅牢性とリッチなデザインをまとった。液晶もタッチパネル対応なので、ハンドリングもスマートなのがいい。microUSBケーブルでPCにつなげば最大96kHz/24bitのDACとしても使えるので、ハイレゾ入門の1台にも最適だ。Bluetoothによるワイヤレスリスニングもできるので、ふだんスマホで音楽を聴くために使っていたワイヤレスヘッドフォンやイヤフォン、あるいはワイヤレススピーカーにもつないで手軽に音楽を聴きたい時にも応えてくれる。
中国InfoMedia社のLotooのブランドから発売された「PAWGold」も究極のハイエンドプレイヤーだ。価格はオープンだが、市場想定売価は28万円前後。最大5.6MHz DSDのネイティブ再生に対応したほか、3.5ミリ4極ジャックによるバランス出力も可能な本格派。バーブラウン製のDACチップ「PCM1792」を、組み込みOSによって正確に動作させながら忠実な原音再生を追求した。ヘッドフォンアンプにはTIの高出力アンプICである「LME49600」を採用し、ヘッドフォン端子からの出力は500ミリワット(32オーム時)のハイパワー出力を実現している。ボディには航空機グレードの堅牢なアルミ素材を採用するなど、音質に贅を尽くした。独自のDSPによる「ATE(Acoustic Timbre Embellisher)」機能を使って音質のカスタマイズが楽しめるのも魅力的なポイントとして付け加えておきたい。
さらに本機の弟機としてラインアップに連なるスタンダードモデル「PAW5000」も登場した。価格はオープンだが市場想定売価は6万円前後になる。DSDは2.8MHzまでのPCM変換再生が可能だ。DSPにアナログ・デバイセズの“Blackfin”「514 DSP」を採用し、上位機と同じ音質カスタマイズ機能の「ATE」にパラメトリックイコライザーなど音楽を徹底的に楽しむための機能も幅広く備えた。上位機にない機能として、本機にはBluetoothによるワイヤレスリスニング機能も追加されている。2.5ミリ端子によるバランス出力にも対応しているので、バランス接続による音の違いを楽しめるエントリー価格帯のモデルとしても注目度が高い。
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