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新生活の“相棒”に一体型オーディオはいかが?――ハイレゾ入門&オーディオ再入門にも最適ハイレゾスタートガイド(4)(1/2 ページ)

» 2016年04月11日 14時56分 公開
[山本敦ITmedia]

 新しい春を迎えて、転勤や進学により引っ越しをしたので、色んな家具を新調しなければならないという方も多いと思う。あるいはゴールデンウィークに部屋の模様替えを計画している人もいるかもしれない。この機会にオーディオ環境にも一工夫加えてみたいという方は、ハイレゾが手軽に楽しめる一体型のオーディオシステムを検討してみてはいかがだろうか。

 一体型オーディオシステムとは“システムコンポ”、あるいは小型のものなら“ミニコンポ”とも呼ばれている、セパレート筐体(きょうたい)のアンプとスピーカーをワンパッケージにして販売されているオーディオ機器のことだ。かつては趣味としてオーディオをはじめる若者の多くが登る登竜門として憧れの的とされてきたが、最近では定年後にもう一度本格的にオーディオを嗜むシニア層からも熱い視線を浴びている。

安くてかんたん、そして多機能

 一体型オーディオシステムのいいところは、何といってもスピーカーを使って音楽を聴くための環境が比較的手軽にそろえられる点だ。ハイレゾリューション・オーディオという言葉はとてもハードルが高そうに聞こえるかもしれないが、最近では10万円以内で買えるクオリティーの高いハイレゾ対応一体型オーディオシステムも多い。価格的にはそれでもまだ高値と感じる向きもあるかもしれないが、単品のプレーヤーにアンプ、スピーカーを一式そろえるためのコストと比べ、この後に挙げる一体型オーディオシステムのメリットを加味して考えれば納得は行くはずだ。しかもこの頃は5万円前後で買える良質なハイレゾ対応の一体型のオーディオシステムも発売されている。

 ハイレゾ再生を楽しむためには、一般的にハイレゾ対応のD/A(デジタル・アナログ)コンバーター、あるいはその機能を内蔵するオーディオアンプ、またはオーディオプレーヤーが必要になる。後者についてはPCにハイレゾ対応のプレーヤーアプリを導入して再生する場合も多い。アンプに組み合わせて音を鳴らすためにはスピーカーにヘッドフォン、イヤフォンもそろえなければならず、これらの製品を1つずつ、オーディオショップに足を運んで詳しいスタッフに相談しながら買いそろえて行くのも楽しみではあるが、無数にある選択肢の中から好みの音を探し当てるのもなかなか骨が折れる。その点、一体型オーディオシステムの場合、自分が求める機能が搭載されていることさえ確認できれば、あとは機器の組み合わせや相性については比較的迷う心配がない。アンプとスピーカーの組み合わせも、メーカーが提案するベストな音質にチューニングされている。外部入出力端子を豊富にそろえるシステムならば、ここを基点にオーディオ機器を付け足したり、スピーカーやケーブルを交換して音の違いを比べて楽しむのも簡単だ。

 また多くの一体型オーディオシステムはアンプとスピーカーのデザインも統一感のあるテイストに仕上がっているので、部屋に置いてインテリアと自然に溶け込ませることができる。設置スペースをぐんとコンパクトに抑えたシステムも増えている。

 こうしたメリットがある反面、多くの一体型オーディオシステムはアンプとUSB-DACの機能が1つの筐体にまとめられているので、将来にハイレゾの新しいフォーマットやサービスなどが出てきた時に、これを楽しみたい場合は少なくともセンターユニットを丸ごと買い直すことも検討しなければならないことも指摘しておきたい。とはいえ、まずは今すぐにハイレゾが聴ける環境を手に入れたいのなら、一体型オーディオシステムの選択が最有力であることには変わりがない。システムに搭載されているDACがリニアPCMだけでなくDSDも再生できるのか、あるいはハイレゾ再生に対応するデジタルインターフェースがUSBだけなのか、ほかの光デジタル入力や、あるいはLANにつないでネットワーク経由での再生もできるのかなど、必要とする機能はよく下調べして最適な製品を選びたい。

ハイレゾにCDやBluetoothワイヤレス再生も楽しめるオススメ製品をピックアップ

 続いて豊富な機能が揃い、価格とのバランスも良い注目の一体型オーディオシステムをいくつかピックアップしてみよう。

ハイレゾからCD再生まで、音楽リスニングのさまざまな楽しみ方をコンパクトにまとめ込んだティアックの「HR-X101」

 ティアックは最近「Reference 301」シリーズなど、コンパクトな筐体にハイレゾ再生のイノベーションを詰め込んだ単品コンポーネントのヒットモデルを連発しているブランドだ。今年のはじめには一体型オーディオシステム「HR-X101」を発売。パソコンやiPhoneなどのソース機器をUSBで接続して、最大リニアPCMの192kHz/24bitまでのハイレゾ再生が楽しめるほか、光デジタル出力を搭載するハイレゾ対応のポータブルオーディオプレーヤーなどもつなぐことができる。独自のハイレゾプレーヤーソフト「TEAC HR Audio Player」が無償でダウンロードできるのも入門者にはありがたい。

 本体にはCDドライブも搭載しているので、これまでコレクションしてきたCDのアーカイブも引き続き楽しめる。ちなみに本稿で紹介するおすすめ製品は大半がCDドライブ付きのものを選んだ。ティアックのHR-X101は、96kHz以下の音源は2倍の解像度にアップコンバートする機能を備えている。例えば手持ちのCDもハイレゾに迫る高音質で楽しめるようになるので、これまで聴き込んできた音楽の新たな一面が顔をのぞかせるかもしれない。

 スピーカーは天然のチェリーウッドを突板に採用する木製エンクロージャーの2Wayブックシェルフ型。部屋のインテリアに自然と馴染む質感の高さを備えながら、メーカーの直販サイトでは8万2000円(税別)と10万円を切る手頃な価格で販売されている。

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