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新生活の“相棒”に一体型オーディオはいかが?――ハイレゾ入門&オーディオ再入門にも最適ハイレゾスタートガイド(4)(2/2 ページ)

» 2016年04月11日 14時56分 公開
[山本敦ITmedia]
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コンパクトサイズと手頃なプライスが魅力的なケンウッドの”Kシリーズ”「XK-330」

 ケンウッドの「XK-330」は、伝統ある一体型オーディオシステム“Kシリーズ”の系譜に連なる最新のハイレゾ対応モデル。新書サイズのコンパクトな2Wayブックシェルフスピーカーをセットに組み合わせて提案する、設置性の高いマイクロコンポだ。カラーバリエーションはライトブラウンのスピーカーにシャンパンゴールドのセンターユニットのペアと、ダークブラウンのスピーカーにブラックのセンターユニットのペアによる2種類から選べる。

 ハイレゾ再生が最大96kHz/24bitのWAV/FLAC形式のファイルに限定され、インターフェースもフロントパネルのUSB端子から読み込む格好だが、その分、とにかく手軽にハイレゾ再生が聴けるように割り切ったシンプルさが潔い。価格はオープンだが、実売価格は3万円台半ばと非常にお手頃なのもうれしい。

USBだけじゃない、DLNAネットワーク経由でもハイレゾ再生が楽しめるソニーの「CMT-SX7」

 ソニーは多彩なハイレゾ対応のオーディオ製品を展開しているメーカーだが、「CMT-SX7」は多機能を上手にまとめたコスパの高い一体型オーディオシステムだといえる。価格は4万9880円(税別)とリーチしやすい。最大の特長はPCなどをUSB接続してハイレゾが楽しめるだけでなく、Wi-Fiも含めて家庭内のネットワーク環境に接続すれば、ホームネットワーク内のPCやNASに保存した音楽ファイルが、ハイレゾも含めて再生できるDLNAネットワーク対応を実現した点だ。iPhoneやiPadに保存した音楽はAirPlay再生でも楽しめる。

 さらにDSD形式のハイレゾ音源は、2.8MHzのタイトルまでリニアPCMにリアルタイム変換しながら再生ができる。最近ではe-onkyoやmoraなど、ハイレゾ楽曲の配信ストアで販売されているDSD形式の作品も増えているので、2.8MHzのDSD音源であれば、例えばDSDネイティブ再生は本格的なポータブルオーディオプレーヤーなど別の機器で聴き、リビングなどの場所では本機を使って家族と一緒にスピーカーで楽しむという具合にライフスタイルの広がりが生まれる。

テクニクスブランドの高音質技術に、最新のワイヤレスオーディオ技術を融合させたパナソニックの「SC-PMX100」

 パナソニックの「SC-PMX100」は、2014年に復活を遂げたパナソニックのHi-Fiオーディオブランド、Technics(テクニクス)の高音質化技術をふんだんに採り入れた一体型オーディオシステムだ。ハイレゾ再生は最大192kHz/24bitのWAV/FLACまで対応する。オンラインストアでの販売価格が6万9800円(税別)と、比較的お手頃なのも魅力的。3Way構成のブックシェルフスピーカーがセットになっていて、2種類のツイーターユニットにより高域は100kHzまでの広帯域をカバーする。

 ハイレゾ再生は、PCなどにつなぐUSBオーディオのほか、ネットワークに接続してNASやPCに保存した音楽ファイルが再生できるところまではソニーのCMT-SX7と一緒だが、本機ではさらに、米クアルコムが推進するWi-Fiをベースにしたワイヤレスオーディオ再生のための新技術「ALLPlay」をサポートした点が大きな特徴になる。1台のスマホやタブレットに保存した音楽を複数のALLPlay対応のオーディオシステムへ同時に飛ばしながら、マルチルーム再生をモバイルアプリによるシンプルな操作で楽しめる。なおALLPlayに対応するオーディオ製品には、現在のところパナソニックのコンパクトステレオシステム「SC-ALL5CD」や、ワイヤレススピーカー「SC-ALL2」が発売されている。

 以上の4製品は、いずれもBluetoothによるワイヤレス再生機能を搭載しているので、iPhoneやAndroidスマホに保存した音楽をとにかく手軽にスピーカーで鳴らして楽しみたい時に便利だ。ソニーのCMT-SX7はBluetoothでハイレゾ相当の高音質再生が楽しめる「LDAC」にも対応している。同じLDAC対応のウォークマンやスマートフォン、タブレットの「Xperia」シリーズを使っている方には特におすすめだ。

JVCの「EX-N70」など、国内オーディオブランドのハイレゾ対応一体型オーディオシステムにも注目だ

 その他の日本を代表するオーディオブランドからも力のこもったハイレゾ対応の一体型オーディオシステムが商品化されている。例えばスピーカーに木の振動板“ウッドコーン”を使ったJVCの「EX-N70」や、iPhoneやiPadからハイレゾをワイヤレスで飛ばして再生できるパイオニアの“Stellanova”「APS-S301J」、ヤマハのHi-Fi設計思想を受け継ぐ「MCR-N560」、デノンのスタイリッシュな”CEOL”「RCD-N9」などは初心者にも使いやすく、ベーシックなハイレゾ再生のスペックを搭載した長く楽しめそうなモデルだ。それぞれのブランドがハイレゾ再生に取り組む思想や、最新のサウンドのポリシーを知るうえでも、一体型オーディオシステムは格好の指標になるだろう。

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