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ドルビービジョン対応の4K有機ELテレビ、LGエレクトロニクスから登場――夏には普及価格帯のモデルも「シドニアの騎士」がHDRに(1/2 ページ)

» 2016年04月13日 21時59分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 LGエレクトロニクスは4月13日、2016年の薄型テレビ新製品を披露した。既に発表している液晶テレビ3シリーズ(UH8500、UH7500、UH6500)に加え、新たに有機EL(OLED)テレビの3シリーズをラインアップ。自発光パネルならではの漆黒表現や階調性を武器に「HDRに最適なテレビは有機EL」(LGエレクトロニクス・ジャパンのイ・インギュ社長)として訴求する。

有機ELテレビの上位モデル「OLED E6P」

 同社の有機ELテレビはこれまで、画面がカーブした曲面タイプの「EG9600」シリーズのみだったが、今年は市場性を考慮して平面タイプを追加。平面のハイエンドモデル「OLED E6P」および曲面タイプの「OLED C6P」、さらにスタンダードモデルとして「OLED B6P」を夏に発売する。

HDRに最適なテレビは有機EL

 新製品はいずれもHDRに対応した4K(3840×2160ピクセル)テレビで、上位モデルは米DolbyのHDR技術「Dolby Vision」までをサポートした。ピーク輝度などの詳細は語られていないが、UHDアライアンスの「Ultra HD Premium」認証を取得しているため、最高輝度が540nits以上、かつ黒輝度0.0005nits以下は保証済み。ピークは液晶テレビに及ばないものの、黒の沈み込みに関しては追随を許さないレベルといえる。また色域についてもDCI P3色空間の90%以上を再現できるほか、BT.2020入力も可能だ。

 「今年の(新製品の)メッセージは『進化』。中でももっとも大きな進化は映像美だろう。映像の明暗部の輝度を拡張するHDRで、映像をとても鮮やかに映し出す。HDRにもさまざまな規格があるが、中でも最高の機能を持つのがDolby Visionだ」(イ・インギュ社長)。

LGディスプレイ製の有機ELパネルは出光興産の発光材料を採用している。前モデルから共同開発に近い作業を行ってきたという
HDRと従来のSDR(スタンダード・ダイナミックレンジ)を比較するデモ

 発表会ではドルビージャパンの大沢幸弘社長も登壇し、「Dolby Visionは優れた最先端のHDR技術」とアピール。「一般的なHDRに比べて輝度、コントラスト、色合い、画像のディテールにおいて、より優れている。そしてLGの有機ELテレビはHDRに最適なデバイスだ」とコメントした。さらに「NetflixのコンテンツもDolby Visionに対応してくれる。家庭でDolby Visionによる、今までにない最高の映像体験を享受できる」として、Netflix日本法人のグレッグ・ピーターズ社長にバトンを渡した。

Dolby Vision(ドルビービジョン)のデモ

初のHDR対応アニメは「シドニアの騎士」

左からドルビージャパンの大沢幸弘社長、出光興産の松本佳久副社長、LGエレクトロニクスのイ・インギュ社長、Netflix日本法人のグレッグ・ピーターズ社長

 Netflixは、既にオリジナルドラマシリーズの「マルコ・ポーロ」をDolby Vision対応のHDRコンテンツとして配信しているが、ピーターズ氏は、「HDRタイトルはどんどん増え、今年度末には何百時間ものプレミアムコンテンツが視聴できるようになる。これには日本発のタイトルも含まれており、その1つはアニメ『シドニアの騎士』。HDRで視聴できる最初のアニメ作品となる」と胸を張った。HDR版「シドニアの騎士」は近日配信予定だ。

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