4月24日、国内最大規模の音系・メディアミックス即売会である「M3」が東京流通センターで行われた。当日は1000を超えるサークルが一斉に集い、オリジナルソングのCDを販売したり、ゲーム音楽のアレンジ作品を公開したりするなどして、にぎわいを見せた。
M3は、初音ミクなどのボーカロイドを使った楽曲の作り手や、ニコニコ動画の「歌ってみた」カテゴリーで活動する歌い手など、一般人が自作のコンテンツを公開する場だ。近年の参加者は1万人を超え、年々動員数を増やしている。
知名度は、同じ同人イベントであるコミックマーケット(コミケ)よりも低いものの、1998年から毎年春と秋に2回開催されており、今回で37回目。昨年(2015年)の紅白歌合戦に出場して話題を呼んだLinked Horizon(Sound Horizon)がかつて参加していたことでも知られている。
詳しくは過去記事「音のコミケ“M3” 1万人動員のイベント主催者に聞く“同人音楽の20年”」でも紹介しているので、ご確認いただきたい。
今回は会場の様子がどんな感じだったのか、写真たっぷりでお届けしよう。
当日は曇り空であったが、会場の中は熱気にあふれていた。初音ミクやDTMソフトを使って作曲したCDを売る人、応援するサークルの作曲家と会話を楽しんでいる人、楽曲を持ってきて弾き語りをする人……おのおのがイベントを楽しんでいた。
会場では、気になっているサークルのスペースで試聴する人が目についた。筆者の個人的な所感だが、夏と冬に東京ビッグサイトで行うコミケと比べると、やや平均年齢自体は高いように思う。
中にはCDではなく、音楽に関わる入門書や動画素材集などを販売している人もいた。
セクシーな重機の擬人化サークルさん(重機娘Project)。重機をモチーフにしたCDを制作しており、衣装はモーターグレーダー(実際の機械は雪国の除雪などに使われている)らしい。
BLゲームを販売していたantipastoさんのブースは、キラキラした男性キャラクターであふれていた。
フリースペースでは生音演奏を行うサークルもいる。バイオリンの音が美しい。
おきあがり赤ちゃんから発される音を使って楽曲作りをしている@okiagariakachanさん。「初めてM3に参加した。来てよかった」と話す。リアルな場所で相手に試聴してもらい、感想を聞けたり、CDを買ってもらったり、交流がうれしいという。
東京理科大学のサークルさん。サークルに所属する人間がそれぞれ作曲し、何曲か集まったものを1枚のCDにしている。中身、いい音でした。
アイドルユニットぷりんせすたいむさん。普段はメイド喫茶で働いているようです。
会場を歩いていると、よく見たことがある、あの会社の「学習帳」っぽいものを発見した。
これは商標や権利回りに問題はないのか、と聞いてみたところ「ちゃんとお金を払って許諾をもらっているので大丈夫です!」とのこと。他にも軍歌のCDをはじめ「海軍カレー大全」や「はじめての刀剣入門」「日本刀の作り方とその科学的解析」など、帝国音楽堂さんの刀やミリタリーへの愛を感じた。
「日本刀の作り方とその科学的解析」の中身を拝見したところ、あまりのガチっぷりに手が震えた。一部内容は公式サイトでも公開されているのでぜひご覧いただきたい。ちなみに、刀剣鑑賞帳は「書き込み式同人誌」というジャンルだと教えてくれた。
会場を歩いているとCDの中にカセットテープを並べているサークルを見つけた。
サークル名「ずるずるらくだ」さんの作品はCDではなくカセットテープだ。初音ミク楽曲をカセットテープに録音して販売しているという。「ドラムなどは打ち込みでギターは弾いて生音でレコーディングしてます」とのこと。打ち込みソフトは「Logic」。
会場で出会った音楽・ゲーム制作団体「創作堂さくら紅葉」さん。M3の参加は「3回目か4回目ぐらいですね」と教えてくれた。仲間たちと音楽CDアクアリウムを販売していた。
弾き語りをしてくれた橘ネロリさん。愛知県出身のシンガーソングライターで愛と癒やしをテーマに曲を作っている。
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