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うるさくない…だと? 大きく進歩したダイソンのスティック型掃除機「V8シリーズ」(1/3 ページ)

» 2016年09月06日 13時02分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 結論から書いてしまうと、ダイソンの新しいコードレススティック掃除機「V8シリーズ」は、かなりの進歩を遂げた。それも従来製品のユーザーが驚き、買い替えたくなるような有意義な進化だ。ポイントごとに紹介していこう。

ダイソンの「V8アブソリュート」。各種ノズルが付属した最上位モデルで、店頭参考価格は9万6800円(税別)

普通の掃除機よりうるさくない

 進化のポイントはいくつかあるが、まずは“音”だ。ダイソンの掃除機というと、「吸引力はすごいけど、音が大きい」というイメージを持っている人も多いと思うが、V8シリーズでは今までの甲高いモーター音が文字通り“鳴りをひそめ”、落ち着いた低音に変わった。音量(音圧)もかなり低減した印象。製品発表会などで知ってはいたが、自宅に持ち込んで音を聞くと、従来機との違いに驚かされた。

今回の出場選手。左から「ダイソン フラフィ」、新製品の「V8アブソリュート」、ツインバード工業製のキャニスター掃除「YC-T008」

 iPhoneと音量計測アプリで簡易的な計測を行ってみた。暗騒音が約48dBの室内(図書館レベル)で、まずフラフィを動かすと83dB程度(電車の車内レベル)となったのに対し、新しいV8は78dB(街頭レベル)。MAXモードではモーターの回転数が上がった印象は受けたが、数字としては79dB(街頭レベル)だった。

MAXモードへの切り替えはスライドスイッチ

 さらに比較用に持ってきたツインバード工業製のキャニスター掃除機(YC-T008)を同条件で計測してみたところ、フラフィと同等の83dBという数字が出た。5dBの差というと小さいように思えるが、騒音としては“およそ6dBの違いで倍程度”になると言われているため、「騒音を50%減らした」というダイソンの話も納得できる。

暗騒音(左)と2015年モデルの「ダイソン フラフィ」(DC74)の計測結果(右)

V8(左)とYC-T008の計測結果(右)

 また数字以上にありがたいのは音質の変化だ。例えばソファーでウトウトしているとき、横でフラフィ(DC74)を動かされたら飛び起きるが(体験済み)、V8の音なら気持ちよくスルーできそう。そのくらいの差がある。普段フラフィを愛用している奥さんも、「音が低いからまったく気にならない。比べたらV8しか選べない」と物欲しそうな顔で感心していた。

 V8シリーズでは、柔らかいフォーム素材とラバーによる制振構造でモーターを囲むことで駆動音の音圧を低減した上、フィルターの追加など音響的な改善を各所に加えたという。もちろん音が静かになっても吸引力が下がっては仕方ないが、同社による測定結果は従来機「V6フラフィ」とまったく同じ。「吸引力そのまま、騒音は半分」というわけだ。

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