話題は変わって、ヨーロッパのホームセキュリティ事情について、IFAで取材したことを報告しよう。日本でニュースを見聞きしていても、フランスやドイツなどヨーロッパの先進国と呼ばれる地域の治安が以前よりも少しずつ不安定になってきているようだ。幸い、筆者が今回ベルリンに滞在している期間中には大きな事件も起きず、自身も危ない目にあうことはなかったのだが、周囲からはiPhoneを盗まれる被害にあったり、思わぬ治安維持関連のトラブルに巻き込まれたという声も聞こえていた。何事もなく平穏に見えるドイツの人々の暮らしの中でも、自分の身は自分で守るという意識が高まりつつある。
その動向はIFAの会場のあちらこちらに、スマート家電として沢山の出展社がセキュリティカメラや、これに関連するソリューションを並べていたことからも端的に分かった。先ほど紹介したボッシュも、Home Connectのプラットフォームに乗せる新しい商品として、屋内・屋外に設置できる360度撮影対応のセキュリティカメラとアプリを発表。コンシューマーが個人でも手軽に設置できるスマートな防犯システムを紹介していた。同社の担当者に聞いてみても、ヨーロッパではいま防犯対策用の家電を求める声が高まっているという答えが返ってきた。
同じような説明をIFAに出展するパナソニックの担当者からも聞いた。同社は日本国内でもスマホなどモバイル機器と家に設置したさまざまな家電がつながって実現する「スマート@ホーム」のソリューションを提案している。日本国内の場合は犯罪者対策というよりも、離れて暮らすお年寄りの家族を“見守る”ためだったり、留守中にも愛するペットをケアするためのコミュニケーションを目的としたデバイスという色合いが強い。
一方でヨーロッパの場合は、より明確に防犯をサポートする製品がユーザーのニーズに響くとパナソニック担当者も語っていた。同社のブースではスマートホームソリューションとして、ガラス破壊探知機や人感センサー付きLED、Wi-Fiカメラなどの防犯関連製品にスポットを当てていた。またドイツ国内では大手保険会社のアリアンツとパートナーを組んで、ホームセキュリティや機器にトラブルが発生した際のレスキューも含めた24時間対応のコールセンターサービスをスタートさせる。
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