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料理アシスタントロボットからディスプレイ付き冷蔵庫まで――欧州スマート家電の最新事情山本敦の「体当たりッ!スマート家電事始め」(5/6 ページ)

» 2016年09月13日 00時05分 公開
[山本敦ITmedia]

全自動洗濯物折りたたみ機やタッチディスプレイ付き冷蔵庫に人だかり

 このほかにもパナソニックは今年のIFAで来場者の注目を集めるスマート家電のコンセプトを展示していた。1つはキッチン・ダイニングでの生活動線を、同社が誇るディスプレイやセンサーの技術を活用して変革するインフォメーションボードだ。ワインセラーに保管したワインや日本酒などに関連する情報をディスプレイに表示するだけでなく、「この日本酒のテイストに合う料理」のレシピをインターネットから呼び出し、食材をeコマースサイトからダイレクトに調達できる。また料理のレシピをホームネットワークにつながっているシステムキッチンに送ると、調理をサポートする音声アシスタントが起動。ダイニングのガラス棚に組み込んだディスプレイには、シェフ直伝の解説付きレシピ動画を再生して、料理が苦手なユーザーをとことんバックアップするという未来のスマートなキッチン&ダイニングだ。

パナソニックのディスプレイ技術を活かした透明なガラス素材を使ったインフォメーションディスプレイ
ワインセラーのガラスにもタッチディスプレイを採用。表示したレシピをシステムキッチンに送って音声アシスタントを受けながら簡単に美味しい料理が作れる
調理方法などはシェフの動画が手ほどきする

 またパナソニックがセブンドリーマーズと大和ハウスと共に開発する、全自動の洗濯物折り畳み機「ランドロイド」もIFAでそのコンセプトが披露された。日本では昨年のCEATEC JAPANに出展されて話題を呼んだランドロイドは、パナソニックが開催したプレス向けの記者会見でも大きな歓声が上がるほど脚光を浴びた出し物の1つになった。まずは衣類をきれいに折り畳むギミックを完成させ、以後順番に洗濯・乾燥、アイロンがけまでのステップを構築。2019年にランドロイドとしての商品化を目指す。

IFAでも紹介を受けて評判を呼んだランドロイド

 来場者の注目を浴びた製品といえば、韓国Samsung(サムスン)の21.5型タッチディスプレイ付きの冷蔵庫「Family Hub」シリーズだ。年初に北米で開催されたCESでベールを脱いだ製品が、いよいよ年末に欧州の先進国で展開される予定。Tizen OSをオペレーティングシステムとして、宅内のサムスン製スマート家電と連携して冷蔵庫がコントローラーになるだけでなく、ディスプレイにテレビの映像をDLNA経由で映したり、スマホの画面をミラーリングして楽しむことなどができる。シリーズ名は、家族が集まる生活空間であるダイニング・キッチンにスマートライフを提供するハブをつくるという発想に由来している。

サムスンのブースに展示されたキッチン・ダイニングを変革する冷蔵庫「Family Hub」シリーズ。2ドアと4ドアタイプが発売される。来場者も熱心に見入っていた

 同じく冷蔵庫にタッチディスプレイを付けた製品をLGがプロトタイプモデルとして出展した。こちらはOSにWindowsを使った点が特徴。天気やスケジュールのインフォメーション表示にとどまらず、VODや音楽を楽しむためのエンターテインメントツールとしての活用を提案しているところもサムスンの製品と重なる。

LGが展示したタッチディスプレイ付きの冷蔵庫はWindowsを採用。発売時期等は未定だ

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