ボッシュとシーメンスの展示からは、両社がホームネットワークにつながるスマート家電の価値をそれぞれのやり方で強く訴求する姿勢がうかがえた。老舗の両ブランドが根気よく開発を続けていけば、やがてヨーロッパには本格的なスマート家電ブームが訪れるかもしれない。期待を強く感じさせてくれた。
もう1社の“欧州の雄”であるオランダのフィリップスの視線は「ヘルスケア」の方に向いていた。電動歯ブラシのソニッケアーシリーズは日本でもお馴染みだが、その新製品「Sonicare FlexCare Platinum Connected」は、本体に内蔵するセンサーで歯ブラシを動かすスピードや、歯に当てた時の圧力を検知。Bluetoothで接続されたスマホアプリ「Philips HealthSuite」の画面に表示される口内の3Dマップに、歯の磨き方に関するアドバイスを表示しながら、正しく磨く習慣を身につけることができる。アプリ経由で歯磨きのデータをクラウドに送って、歯科衛生士のコーチングを受けられるようにするサービスも視野に入れているようだ。
もう1つ、フィリップスが展示した面白い製品は「Sonicare Breath」だ。こちらはユーザーの口臭を検出するための小さなスマート家電。孔が空いている突起の方を軽く歯で噛んで、スマホ側で専用アプリを使って計測すると数秒程度で口内に発生するバクテリアを含むガスの濃度を検出。その人の口臭レベルを判定してくれる。
筆者も体験してみたが、思いのほか測定は速やかに完了する。これなら毎日手間なく使えそうだ。口臭レベルは幸い「GOOD」と判定された。本製品は199ドル前後で米・英から販売を開始。来年にヨーロッパ上陸を予定する。使ってみて気になったのは、口臭レベルが分かったところで、これを解消するための方法をアドバイスしてくれない限りは楽しめないということ。短いデモだったので、その辺がどのようにフォローできているのか確認できなかったのが残念。日本上陸の機会にはぜひ、本製品を体当たり取材してみたい。
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