オーソドックスなカメラスタイルのミラーレス機といえばパナソニックの“G”である。オリンパスとパナソニックがミラーレス一眼専用のマイクロフォーサーズ規格を制定し、最初に出してきたのがパナソニックなのである。そして初代機「DMC-G1」の直系となるGシリーズの最新モデルが「DMC-G8」だ。
DMC-G1の登場が2008年秋。その時点で、一眼レフ風のデザインでEVF+バリアングルモニターを搭載していたのだから恐れ入る。
あれから8年。DMC-G8はGシリーズのコンセプトを受け継いだ極めてオーソドックスで汎用性が高く、クセのない正常進化型ミラーレス一眼である。
パナソニックの最新技術を過不足なく埋め込み、春に出た「DMC-GX7 MKII」より強化されたボディ内5軸手ブレ補正を搭載してくれたのがうれしいところだ。おかげでレンズに手ブレ補正を搭載しない一部のレンズや、オリンパスのレンズでも気軽に使えるのである。
DMC-G8のボディは見ての通り、極めてオーソドックスな一眼レフスタイル。
光軸上にEVFを持ち、深くてしっかりしたグリップを持ち、ファインダーを覗くとすごくしっくりくる。
基本性能はレンジファインダー機っぽいデザインのDMC-GX7 MKIIと大差ないが(もちろん手ブレ補正の性能や連写性能など進化している点も多いけれども)、ファインダーを覗いたときの感触はやはりこちらの方が上だ。
ファインダーの見え具合や追従性はハイエンド機に比べるとやや劣るが実用上の問題はなく、倍率は35mm換算で約0.74倍と大きくてアイポイントも20mmに伸びた。メガネをかけていても隅々まで大きく見ることができる。これは快適。
細かいことだが、省電力ファインダー撮影モードを使うと、ファインダーから目を離したら自動でスリープになるためファインダー中心で撮影する人にはすごくバッテリーの持ちがよくなった。
背面モニターは伝統のバリアングル式で、タッチパネル搭載。
今は各社が追従しているが、ファインダーを覗いているときに背面モニターを「タッチパネル」として使える「タッチパッドAF」はすこぶる便利だ。覗きながら右手親指を伸ばしてモニターを撫でるだけでAFポイントを自由に動かせる。感覚的な上に素早い移動が可能だ。
ただ、ときどき鼻がモニターにあたった拍子にAFポイントが飛んじゃうことがある。他社の同等機能は(後発だけあって)、鼻の影響を受けないようタッチパネルとして動作するエリアを限定できるなど一工夫あるわけで、パナソニックもそこは考慮してほしかった。
そのまま使い勝手の話を続けよう。
上面には向かって左にドライブモード。4Kフォトやフォーカスセレクト機能もここでセレクトする。4K動画を撮影してそこから任意の一瞬を切り出して写真として使う(800万画素相当になる)これらのモードがここに配置されたのはすごく分かりやすい。
右には撮影モードダイヤルに2つの電子ダイヤル。
この電子ダイヤルがミソだ。
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