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キヤノン本気のミラーレス機「EOS M5」にびっくり(1/5 ページ)

» 2016年12月28日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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EOS M5 + 18-150mmズーム。背景は現存する関東最古の五重塔。

 「とうとうキヤノンがミラーレス機に本気で取り組んだぞ!」と誰もが思ったに違いない、「EOS M5」。今までのEOS Mはなんだったんだ、というくらい違う。性能も機能も使い勝手もコンパクトさも、ほんとによくデキてて、使いやすくて、撮りやすくて、あまりにソツがないのでアラを探したくなるくらいなのだ。

 いやはや、びっくりである。

 細かいところを見ると、不満点や、昨今のハイエンドミラーレス機のトレンドから足りない点もあるわけだが、使ってみると、キヤノンの一眼レフやハイエンドコンパクトなどで培ったデザインや技術がうまく盛り込まれているのが分かる。

 今までの“EOS M”はエントリー向けのミラーレスだった。だから操作系もハイエンドユーザー向けじゃなかったし、性能もいまひとつだったし、でもコンパクトで安かった。

 4代目の「EOS M5」(M4は欠番)にいたって初めて、ミラーレス一眼のターゲットをエントリーユーザーから、ハイアマチュア(一眼レフでいうと中級クラス)に上げてきたのである。

 特に今までのEOS Mと比べて素晴らしいのは、使い勝手とAF。特にAFは、それまでのEOS Mが他社のミラーレス一眼に比べていまひとつもたついていただけに、EOS M5のがよりよく見えてしまうのだ。

AFが速くなったのはデュアルピクセルCMOSセンサーのおかげ

 EOS MはAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したミラーレス一眼。2400万画素。前モデルの「EOS M3」も2400万画素だったが、違うのはイメージセンサーが「デュアルピクセルCMOSセンサー」に切り替わったことだ。

 デュアルピクセルCMOSセンサーはキヤノンが独自に開発した技術で、イメージセンサー上の1つ1つの画素が位相差AFセンサーを兼ねた構造になっている。そのおかげで、像面上のどこででも素早いフォーカシングが可能なのだ。この技術はすごい。

 ただコストがかかるのか採用されているのは一眼レフのハイアマチュアモデルのみで、EOS Mへの採用はこれが初めて。おかげでEOS Mの欠点だったAFが一気に改善したのである。

 だからAFが快適である。

 ミラーレス最速レベルかというと、さすがに他社の最新ハイエンドモデルほどではないが、今までぶ比べると格段の違いだ。速くて安定してすっとピントが合うのだ。AF追従連写も秒7コマを達成。希にピントが合いづらいシーンがあったが、まず不満なく使える。

 馬術競技を連写してみた。レンズは18-150mm F3.5-6.3の高倍率ズームだ。

連写したカットをサムネイルで
そのうちの1コマ。レンズは18-150mmを。シャッタースピード優先の1/1000秒で連写した(240mm相当 1/1000秒 F6.3 ISO400)

 AFは速ければいいというものではない。狙ったところにきちんとあってくれなければならない。EOS Mシリーズはタッチパネルを搭載しており、タッチAFを使えば狙った被写体にピントを合わせてくれるし、ターゲット追従AFもけっこうしっかり追ってくれる。

 このような望遠撮影をするときに欠かせないのがファインダーだ。ファインダーをしっかりのぞいた方が動体を追いやすいし、撮影に集中できる。

 EOS M5はレンズの光軸上にEVFを搭載。

光軸上のEVFがあるので被写体を追いやすい。EVFは約236万ドットと高精細だ

 ファインダーを覗きながらAF枠をさっと動かしたいときは、「タッチ&ドラッグAF」の出番。ファインダーをのぞいているとき背面モニターを「タッチパッド」として使う機能で、親指をモニターに伸ばしてその上で動かしてやることでAFエリアを動かせるのだ。これはグリップしたままでAF枠を自在に移動できるのですごく感覚的に使えて便利で快適だ。

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