4月29日から30日まで、東京「中野サンプラザ」で開催している「春のヘッドフォン祭2017」で、中国Lotooの新製品「PAW Pico」が発表された。幅わずか45mm、重量26gという“指先でつまめるハイレゾ対応プレーヤー”だ。同社のディレクター、Michael Xiao(マイケル・シャオ)氏も会場に駆けつけ、新作の開発意図を語った。
「Pico」(ピコ)は10のマイナス12乗を示す単位で、オーディオなどの製品名には小型の象徴として用いられると語ったシャオ氏。PAW Picoは、「どのような再生の仕方にも応えるようなメイン機ではなく、お気に入りの音源を高音質でローテーションできるようなサブ機として開発した」という。
そのため、PAW Picoは小型化と省電力化に集中した設計となった。例えばDACチップはTIの低消費電力チップ「3105」、少ない電力で音質を上げるため、アナログ・デバイセズのDSP「ADSP-BF514」を採用している。対応フォーマットはPCMが96kHz/24bitまで、DSDは5.6MHzまでをPCM変換で再生できる。やはり消費電力の観点からあえてこの仕様にしたという。
また、Bluetoothには対応するが、これは操作系だけでオーディオ転送は非対応だ。音声出力は3.5mmミニプラグのみ。ボストレージはSDメモリーカードスロットを省き、内蔵の32GB SSDに絞った。内蔵バッテリーで最長10時間の連続再生が可能だ。
一方で、PAW PicoにはGPSモジュールとモーションセンサーが内蔵され、例えば走った距離や速度などを音声案内でお知らせする機能を搭載した。現在、iOS端末向けの管理アプリを開発中で、本国の中国ではテスト版をリリース済み。Android版はこれから開発する予定だ。
実はシャオ氏は毎日10kmも走るスポーツマンで、ログをマップ付きで公開したり、東京に来るとジョギングに出かけたりしているという。PAW Picoには、そんなランナーとしてのシャオ氏の「走る時に良い音を聞きたい」という願いが込められており、本体パッケージにはUSBケーブル以外にスポーツ用バンドを同梱(どうこん)する予定だという。
日本での発売時期は未定。トップウィングではアプリの完成を待つか、ディスプレイ非搭載のプレーヤーとして販売するかを検討中で、ヘッドフォン祭の会場で意見を集めるという。
発表会ではエニグマアコースティックのダイナミック機「DHARMA D200」も発表。これはLotooとのコラボレーションアイテムで、普段製品開発のリファレンス機に同社のヘッドフォンを使っているという、Lotoo側からの熱烈なラブコールを受けて実現したもの。日本では5月中旬から下旬の間にリリースを予定しており、価格は3万円前半を見込んでいるという。
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