家電各社から大画面の有機ELテレビや液晶テレビの新製品が発表され、一方でスマートフォンにも4K/HDR対応モデルが登場するなど“4K/HDR”というキーワードに注目が集まっている。今回は話題の4K/HDRコンテンツを手軽に楽しむ方法をおさらいしてみよう。
HDRとは「High Dynamic Range」(ハイダイナミックレンジ)の頭文字をとったデジタル映像の高画質化技術のこと。人間の目は自然界の情景に含まれる明るさ情報をおよそ10万:1までの明暗差(ダイナミックレンジ)まで見分けられるとされているが、近年になって映像の撮影から再生までに関わるHDR技術が台頭してきたことで、目で見る情景に近い映像を家庭のテレビなどで楽しめるようになったのだ。豊かな色彩と明暗のコントラストの表現力に優れるHDR映像は、従来の4K/SDR映像を超える精彩感、3Dを超える立体感をも再現できると高く評価されている。
HDR映像の魅力を体感するためには、HDR対応のビデオカメラで撮影されパッケージ化したコンテンツと再生機器、ならびにHDR対応のテレビやスマホなどディスプレイ機器をそろえる必要がある。例えばテレビは春に各社から相次いで発表された大画面有機ELテレビで見ることができたら最高だが、55V型モデルで想定売価が50万円前後からと、決して手軽に買えるものではない。
でも、そのまわりを見渡してみると、テレビメーカー各社はかなりこなれた価格の4K/HDRテレビもラインアップにそろえている。例えばソニーのブラビアであれば、4K/HDR対応の入門機に位置付けられる「X8000Eシリーズ」の43V型などはいかがだろうか。想定売価は17万円前後とグンと手頃になる。
さらにテレビメーカー各社の2016年発売のラインアップをチェックしてみると4K/HDR対応のモデルもかなり豊富にある。その中からお手頃と感じる価格のものを選ぶ手もアリだ。
4K/HDRの映像コンテンツはメディアに収録されたUltra HD Blu-ray、またはテレビをインターネットにつないで動画配信サービスを利用して視聴する方法がある。前者はお馴染みのBlu-ray Disc(BD)を進化させた次世代の光ディスクメディア。従来のBDに収めきれなかったハイスペックな4K/HDR映像が記録できる。最近はハリウッドの大作映画がUltra HD Blu-rayで続々とリリースされているほか、昨年に大ブレイクしたアニメ作品「君の名は。」もいよいよ7月26日に発売される。本作はいくつかのパッケージ形態で発売されるが、その中の初回生産限定「Blu-rayコレクターズ・エディション 4K Ultra HD Blu-ray 同梱5枚組」に4K/HDR映像を楽しめるUltra HD Blu-rayが含まれている。
Ultra HD Blu-rayを再生するためには対応するプレーヤー機器が必要だ。現在Ultra HD Blu-ray対応のプレーヤー機器はパナソニックにソニー、シャープ、OPPO Digitalなどのブランドから出ているが、コスパを優先すると想定売価が4万5000円前後というソニーの「UBP-X800」がおすすめだ。2016年夏にパナソニックが発売した「DMP-UB90」も入門機に最適だが、ショップによっては既に販売を完了しているようなので、手に入れるなら早めがよさそうだ。
現在国内で発売されている4K/HDR対応テレビの多くは、単体でインターネットに接続ができて、NetflixなどVoDコンテツを楽しめるアプリが使える。なるべくものを買うための出費を抑えて、とりあえず手軽に4K/HDRの映像を見てみたいという方にはNetflixもおすすめだ。HDR作品のストリーミング再生を楽しめる「プレミアムプラン」(月額1450円、税別)があればプレーヤー機器は要らない。Ultra HD Blu-rayのパッケージ作品ほど、現状では作品にバラエティはないのもの、「火花」や「シドニアの騎士」などの話題作が見られるほか、HDR対応のタイトルは続々と増えている。
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