「これからの100年は、1つ1つの製品を磨き上げると同時に、総合家電メーカーの強みを発揮し、複数の製品を組み合わせていく」――パナソニックは8月24日、2018年に迎える創業100周年を機に展開する家電シリーズ「Creative! Selection」を発表した。IoT(Internet of things)の普及を見据え、スマートフォンアプリで操作するロボット掃除機、エアコンなどを今秋から順次投入する。
新型のロボット掃除機「RULO MC-RS800」(10月30日発売)は、従来機でも備えていた赤外線センサー、超音波センサーに加え、レーザーセンサーを新搭載。これまで検知しきれなかった約2センチ幅の障害物まで把握し、障害物にぎりぎりまで近づいて掃除できるという。
搭載するAI(人工知能)「RULO AI」の機能も強化。本体上面に備えるカメラで、部屋のどの位置にあるかを把握し、走行軌跡をマッピングして間取りを学習するという。専用スマホアプリ「RULO ナビ」を使い、外出先から運転操作したり、1週間の掃除スケジュールを設定したりすることも可能だ。
本体サイズは、330(幅)×325(奥行き)×92(高さ)ミリ、重さ3.0キロ。実売予想価格は15万円前後(税別、以下同)。
無線LANを内蔵するルームエアコン「エオリア WXシリーズ/Xシリーズ」は10月下旬から順次発売。スマホアプリ「エオリアアプリ」と連携し、外出先から遠隔操作したり、部屋の空気清浄効果を確認したりできる。実売予想価格は、WXシリーズが32万〜43万円前後、Xシリーズが26万〜41万円前後。
ななめドラム洗濯乾燥機の新型「NA-VX9800L/R」(10月1日発売)は、液体洗剤と柔軟剤を自動調整・投入する機能を備える。スマホアプリ「スマホで洗濯」を使い、外出先から運転予約や運転状況の確認なども行える。実売予想価格は38万円前後。
これらの新製品は、30〜40代の共働き世帯がメインターゲットという。同社の河野明執行役員は「これまでは家事を夫婦で分担していたと思うが、これからはロボット掃除機や洗濯機といった家電との間で家事をシェアし、ゆとりの時間を創出できる」と説明する。
パナソニックの源流は、1918年創業の松下電気器具製作所にさかのぼる。中島幸男常務執行役員は、創業者である故・松下幸之助氏の「水道哲学」の考えを引用し「これまで水道の水のように、多くの家電製品を消費者に行き届かせてきた」と話す。
中島常務は「次の100年も経営理念は不変」とし、消費者の「暮らし」向上の手助けを目指すという。だが「よりよい暮らしは、消費者の心情や世相を反映して変化する」とも。「1つ1つの商品を磨き上げると同時に、総合家電メーカーの強みを発揮し、複数製品の組み合わせで、ユーザーの願望をかなえたい」と展望する。
「単品で役立つだけでなく、ネットに接続してサービスが広がると考えている。冷蔵庫とオーブンレンジが連携する機能のように、単品と単品を組み合わせ、消費者に新しい気付きを提案していきたい」(中島常務)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR