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“攻め”のウォークマン「A40」――外音取り込みにMQA再生も(2/3 ページ)

» 2017年09月03日 06時00分 公開
[山本敦ITmedia]

ストレージを節約できるMQA

 内蔵ストレージの空き領域を節約しながら、96kHz/24bit以上の高音質ファイルもコンパクトに持ち歩けるMQAのファイル再生にもNW-A40は対応している。この新しい機能を追加した理由について大庭氏は「MQAのタイトルをネイティブの品質で楽しみたいという方にも満足いただけるプレーヤーにしたいと考えたからです。もちろん通常のハイレゾ楽曲に比べて、MQAのファイルは容量が小さいことから、より多くの楽曲をコンパクトなAシリーズに入れて持ち歩きたいというユーザーの期待にマッチする技術であることもメリットが大きいと思います」とコメントしている。

MQAファイルの再生にも対応した

 デザインに大きな変更がなかったぶん、新しいウォークマンのAシリーズは「機能」と「音質」のアップグレードを真面目に追求してきた印象を受ける。その1つが、専用イヤフォンによる外音取り込み機能だ。

側面に操作キーを配置

 ソニーは「NW-A10」シリーズの頃から専用のハイレゾ対応イヤフォンによるデジタルノイズキャンセリング機能を搭載してきたが、今回のNW-A40シリーズからはこのイヤフォンに内蔵するマイクを使って、ユーザーが音楽を聞いている環境音を取り込める機能が追加された。「外音取り込み機能」と呼ぶ新しいフィーチャーは、昨年のIFAで発表されたBluetoothノイズキャンセリング「MDR-1000X」にも搭載されて話題を呼んだものだが、つまりは音楽を聞きながら周囲の音に注意を向けて、安全にアウトドアリスニングが楽しめるようになるという便利な機能だ。

イヤフォン端子はボトム側にある

 本機能を使うためには同梱モデルに付いてくる専用イヤフォン、または単品販売されるマイク付イヤフォン「IER-NW500N」を用意する必要がある。「マイクによる集音とドライバーからの出力のバランスを整えながら、ハウリングが発生しないようにチューニングを追い込んでいくことが難しかったポイント」であったと大庭氏は語る。MDR-1000Xのような単体のヘッドフォンの場合は音の入口から出口までをコントロールしやすいが、ウォークマンは別筐体のイヤフォンを接続して使うことになるため、ヘッドフォンと同等の安定した性能を確保するためにハウリング防止用のマイコンを追加しているという。

 本体設定から外音取り込みのメニューにアクセスすると数ステップで段階的に外音取り込みのレベルが変更できる。IFAの会場になぜか同梱品のイヤフォンとペアで展示されているNW-A40シリーズがなかったため、残念ながらその実力を確かめることはできなかったが、新しいモデルでは街を歩きながらでも安全に音楽を聴くことができそうだ。

タッチパネルの機敏な反応はA30シリーズの性能を踏襲する

 音質の向上は、内部のベーシックな部分に手を入れることで実現している。「基板のレイアウトを変更したことで、土台からしっかりと力強さが増している」と大庭氏が強化したポイントを説明する。

 ソニー独自のハイレゾ対応フルデジタルアンプ「S-Master HX」は、電源からのパスが最短ルートを通るように配線を引き直した。これによって音像の定位が向上して、ボーカルや生楽器の音色がより歪みなくクリアに再現される。

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