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初めての人にもオススメの本格派エントリー、オリンパス「E-M10 Mark III」(3/4 ページ)

» 2017年10月14日 06時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 電子ダイヤルの片方は露出補正に割り当てられているのでさっと補正が可能だ。

上面から。左下のショートカットボタンは新設。左肩に電源スイッチ。中央はホットシューと内蔵フラッシュ。右肩にモードダイヤルを含む3つのダイヤルが並ぶ。シャッターボタンは前電子ダイヤルの中央

 前モデルと異なるのは左肩にショートカットボタンが追加されたことくらいか。これは撮影モードによって機能が変わる「何かしたくなったら押せ」ボタンな感じ。

 例えば、iAUTOやPASMの各モードで押すと、画面にコンパネが現れる。そしたらタッチパネルで操作すれば顔認識のオンオフやWB、ISO感度など必要な撮影設定をその場でさっと変えられるのはいい。

ショートカットボタンを押すと画面にスーパーコンパネが現れる。一覧性が高くてよい

 ショートカットボタンにともない、一部画面デザインが変わった。

 シーンモードはグラフィカルに大まかなシーンが並んでそこから十字キーかタッチパネルで目的のシーンを選び、その下にさらに細かいシーンが並ぶようになって分かりやすくなった。

 これはいい。モードダイヤルをシーンモードに合わせて、2秒ほど待ってもこの画面に切り替わる(瞬時に出してくれればいいのに、と思うけど)。

例えばシーンモード時は目的別にシーンを選べる

 個人的に注目したいのは新設のAPモード。アドバンストフォトの略。

 オリンパスのカメラはユニークで個性的な撮影機能をいくつか持っているのだが、そういう機能って「知らないと呼び出せない」。知ってても「呼び出すのがめんどくさい」機能もある。

 そういう撮影機能を集めたのだ。ライブコンポジットとかHDRとか多重露出とかブラケットとかデジタルシフトとか、知らないと知らないまま終わりそうな撮影機能が集められてるのである。

APモードにすると特殊な撮影機能がずらっと並ぶ。どれも使ってみると非常に便利

 特に試してほしいのは「ライブコンポジット」と「静音モード」。

 ライブコンポジットは長秒時露光で連写して明るいところだけ合成することで、要するにこんな感じで撮影してこういう写真を撮れるのである。

三脚を立て、ライブコンポジットで撮影中。シャッタースピード1/2秒ですでに145枚撮って合成してる
画面を見ながら数分放置し、ほどよくライトで埋まったところで撮影を止めた。交通量が少ない道路でも長く撮ればこうなる。これは便利で楽しい(14-42mm 14mm 1/2秒 F8 -2 ISO200)

 三脚必須機能ではあるが打ち上げ花火を撮るのにもいい。暗いところは暗いままなので、長時間露光しすぎて全体に明るくなりすぎることもないのだ。

 もう1つは「静音撮影」。電子シャッターに切り替わり、AF補助光も電子音も全部オフになって、超静かに撮影できる。

 まあ電子シャッターなんだけど、シャッター方式を切り替えるよりは「静音撮影モード」っていってもらった方が、たぶん分かりやすい。

 静音撮影モードの1つのメリットはメカ的動作がない分より手ブレしづくなること。もともとボディ内に5軸手ブレ補正を持ってるわけで、静音撮影モードと組み合わせると最強だ。

 今回の作例は夜景写真が多くて恐縮だけど、これ、静音撮影モードにして「シャッタースピード1秒」でファインダーをのぞいて手持ちで撮ったものである。手持ちで1秒でもぶれないのは強力。

静音撮影モードにし、ISO感度を400に固定して手持ちで撮影。シャッタースピードは1秒だったけどぶれずに撮れた(14-42mm 14mm 1秒 F3.5 -0.3 ISO400)

 じゃあ、手ブレ補正機構搭載レンズ(12-100mm F4など)と組み合わせればもっと手ブレしなくなるか、と思いきや残念ながら「デュアルシンクロ手ブレ補正」には未対応だそうです。残念。

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