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三つどもえのバトル勃発! スマートスピーカーのスマートホーム連携機能を比較する(2/3 ページ)

» 2017年11月22日 12時40分 公開
[山本敦ITmedia]

Echo連携機能を「スキル」で実現。開発も積極的に支援するアマゾン

 アマゾンのAlexaを搭載するEchoシリーズも国内で発売されることが正式に決まったが、当初は招待制として販売形態を限定した形で販売する。当面は“試運転”をしながら、アーリーアダプターの協力によって得たフィードバックを製品とサービスの向上いつなげて、日本向けサービスを充実させてから正式ローンチする構えだ。なのでまだその利便性を評価するのは時期尚早かもしれないが、今分かっているEchoのスタンスをまとめておこう。

いよいよ日本に上陸するアマゾン「Alexa」搭載のEchoシリーズ。7つのマイクアレイを乗せて、音声コマンドに機敏に反応する

 アマゾンの場合はプラットフォームであるAWS(Amazon Web Services)に対応するスマートホーム機器を、クラウド上にあるブレーンであるAlexaと1台ずつひも付けて操作する格好になる。「スキル」と呼ばれるスマートスピーカーにインストールして使うアプリのようなツールを導入すれば、サードパーティーが開発した便利なサービスをEchoシリーズからの音声操作で利用できる。例えばシャープのインターネットにつながるスマート家電もこれに対応して、Echoから一部の機能を音声でコントロールできるようになるようだ。

Alexaは「スキル」と呼ばれるツールをスマートスピーカーに導入すると様々なサービスが追加できる

 AVS(アマゾン ボイス サービス)をハードウェアに組み込めば、Alexaを頭脳に持つスマート家電をサードパーティのメーカーが作ることもできるなど、ハードウェアのオープンな開発環境を整えていることもアマゾンの特徴だ。日本よりも先にAVSの開発ツールの提供が始まった欧米では、既にAlexaを搭載するスマートLED照明やアラームクロック、イヤフォンなどカテゴリーが多岐にわたる製品が登場している。大手エレクトロニクスメーカーだけでなく、いわゆるスタートアップも巻き込んだ「Alexaブーム」の大きなうねりが生まれつつある。日本でもAVSの開発者向けプレビュー版の提供が11月から始まったので、今後はひらめきに富んだAlexa搭載デバイスが続々と出てくる可能性もあるだろう。

 Echoの場合、1つのホームネットワークある複数のスピーカーを使って、例えば「リビングのスピーカーから、キッチンにあるスピーカーを操作して音楽をかける」といったマルチルーム再生がこれまでできなかった。サードパーティーが自社のアプリでAlexa搭載スピーカーをホームネットワーク連携させる機能を実現している場合もあるので、少なくとも自社製の「Amazon Alexa」アプリだけではできなかったと言った方が正しいかもしれない。

アマゾンのAlexa内蔵ハードウェアを開発するためのツールは欧米で先に展開が始まっている。写真はドイツのスタートアップが開発するAlexa搭載のスマートLEDランプ

 今年の夏にはアマゾンが自らマルチルーム再生の仕組みを整えた。クラウドのAlexaにつながるスピーカーに、一斉同時に音楽ストリームを飛ばしてマルチルーム再生を実現するという仕組みになるらしい。先日行われた日本でのEchoシリーズ発売の記者会見では、7台のEchoスピーカーで同時に1つの音源を再生するデモが披露された。発売後に準備が整った段階でファームアップデートによって追加を予定しているようだ。

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