東急グループのイッツ・コミュニケーションズ(イッツコム)は、2015年2月から住宅向けのIoT(モノのインターネット)スマートホームサービス「インテリジェントホーム」を提供している。同じ東急グループのConnected Designが企画開発するIoTデバイスなどと組み合わせ、他のサービスとパッケージにした割引料金、スマートスピーカー「Google Home」による音声操作、IFTTT(イフト)やLINEなどのアプリサービスとの連携を実現した点などがユニークだ。
イッツコムがケーブル回線を通じて提供している多チャンネルテレビ(CATV)、インターネット、IP電話のサービスに加わる”第4のサービス”は、ユーザーにどのような利便性をもたらすのか。今回はイッツ・コミュニケーションズが本社に構えるショールームを訪問し、執行役員事業戦略本部長の武田浩治氏にサービスの特徴について話を聞いた。またConnected Designの新貝文将氏、林田丈裕氏にGoogle HomeとIoTデバイスの連携に関するデモンストレーションをお願いした。
1983年に東急有線テレビとして立ち上がったイッツコムは、その後現在の主軸サービスの1つであるケーブルテレビ事業をベースにしながら、東急線沿線の生活者に向けた「テレビ・電話・インターネット」のインフラ整備に力を入れてきた企業だ。その流れを受けて、今回IoT・スマートホームのサービスに裾野を広げてきた。武田氏は「訪問や電話によるサポートなど、イッツコムが誇る充実したカスタマーサポートのノウハウと、先進的なIoTデバイスによるサービスをマッチさせながら、他にないスマートホームサービスを提供していきたい」と意気込みを語る。そこでは東急グループ全体として現在、インフラ事業を超えてデパートや映画館などの商業・エンターテインメント施設まで幅広く展開するビジネスの知見も活用できるだろう。
インテリジェントホームのサービスの土台は、日本よりも先行してIoTやスマートホームが立ち上がってきた北米のトレンドを手本にしながら2013年頃から固めて、2015年2月に提供を開始した。イッツコムのサービスとしては現在東急線沿線をサービスエリアとしている。2017年10月6日にグーグルのスマートスピーカー「Google Home」が発売されたタイミングに合わせ、スマートスピーカーによる音声操作にも対応。現在は全国の約40社を超える事業者と連携し、インテリジェントホームのプラットフォームをベースにしたIoT・スマートホームサービスを広く展開しつつある。
インテリジェントホームを導入する方法や、導入後にユーザーが活用できるサービスの内容についてはConnected Designの新貝氏、林田氏にショールームでの実演を交えながら説明してもらった。
インテリジェントホームは、外出先や宅内の様々な場所からスマホやタブレットを使って、宅内に設置したIoTデバイスやスマート家電がコントロールできるサービスだ。利用料金は月額2980円(税別)。イッツコムのインターネットサービスとセットにすれば月額1980円となる。サービスの中核になる「ホームゲートウェイ」は購入(1万8000円、税別)、またはレンタル(月額300円、税別)の利用形態がある。このほかに別途申し込んだIoTデバイスごとのレンタル料金がかかる仕組み。IoTデバイスのラインアップには、IPカメラとドア窓開閉センサー、広域・狭域のモーションセンサー、スマートロックにスマートLEDライト、赤外線で家電を操作できるスマートコントローラーがある。
10月6日からインテリジェントホームのサービスがグーグルのスマートスピーカー「Google Home」から音声でコントロールできるようになった。既にインテリジェントホームのサービスを利用しているユーザーのために、Google Homeと赤外線スマートコントローラーをセットにしたデバイスセットも月額700円で提供をはじめた。
また同時期から楽天ブックスとビックカメラで販売をスタートしたインテリジェントホーム スターターキット」は、ホームゲートウェイにスマートコントローラー、センサー機器などが同梱(どうこん)されていて、ユーザーがスマートホームのDIYを楽しめる買い切り型のパッケージだ。ともに別途インテリジェントホームの契約が必要になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR