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特別車両で銀座線の「幻の駅」など見学 4090人応募で4000人落選 行ってきた

» 2017年12月18日 13時25分 公開
[太田智美ITmedia]

 東京メトロは12月17日、地下鉄開通90周年を記念して地下鉄復刻イベント「銀座線タイムスリップ」を実施した。公募に対し、4090人の応募があり、抽選で選ばれた90人が当時の銀座線をイメージした特別仕様車両に乗り、車内に付けられた予備灯が点灯する様子を見たり、車内から銀座線の“幻の駅”とされる「萬世橋駅」「神宮前駅」を見たりした。


地下鉄開通90周年イベント 参加者が乗車した特別仕様車両。地下鉄開通90周年記念イベント「TOKYO METRO 90 Days FES!」スペシャル企画「銀座線タイムスリップ」に参加してきた

地下鉄開通90周年イベント 特別仕様車両の内装

地下鉄開通90周年イベント 数字は「1000型の39編成の4号車」という意味を持つ

地下鉄開通90周年イベント 涙型のつり革

 特別仕様車両の中は、木目調の壁や銅色に塗装された手すり、涙型のつり革が印象的だった。中でも、報道関係者の目を引いたのが室内予備灯。予備灯とは、車内の照明が瞬間的に消えたときに灯るもの。当時、線路の横にある「サードレール」と呼ばれる場所から電気を取り入れていたため、駅の近くなど線路の分岐点(ポイント)を通過する際などに車両がサードレールから離れ、電気を取り入れられないため一時的にバッテリー電源の予備灯で車内を照らしていたという。実際に体験してみたが、電気が消えるのはカメラのシャッターが切れるかどうかのほんの一瞬だ。

銀座線の室内予備灯
銀座線の室内予備灯(車内の様子)

 “幻の駅”といわれる銀座線の「萬世橋駅」と「神宮前駅」は、12月1〜18日の期間限定でライトアップされており、速度を落として通過。萬世橋駅(「末広町駅」と「神田駅」の中間に位置)は、1930年1月〜翌31年11月まで仮停車場として使われていた駅で、神田駅の開業に合わせて閉鎖された。一方、神宮前駅(「表参道駅」から「渋谷」方面に約5メートル行ったあたりに位置)は、38年11月に東京高速鉄道「青山六丁目駅」として開業し、翌39年11月に「神宮前駅」に改称。72年の千代田線開業で「明治神宮前駅」が完成したことに伴い、現在の「表参道駅」移行する形で閉鎖となった。


地下鉄開通90周年イベント 幻の駅「萬世橋駅」

地下鉄開通90周年イベント 幻の駅「神宮前駅」

運転席

 イベントのルートは、上野検車区から上野駅、浅草駅から「引き込み線」と呼ばれる普段入ることのできない車両基地へ、そこから折り返し渋谷へ向かい再び渋谷の引き込み線へ。その後、上野駅まで戻るというルート。約2時間乗っていたが、途中「発車ベルクイズ」や当時の復刻制服を着た乗務員との撮影タイムなどもあり、あっという間に時間は過ぎた。


地下鉄開通90周年イベント 上野検車区から出発

地下鉄開通90周年イベント 当時の復刻制服を着た乗務員

昔上野駅に設置されていた電車到着の案内板は、今も美術品としてホームに飾られている。電車が来るときに連動して光る

 ちなみに、引き込み線内でスマートフォンをチェックすると、「圏外」の文字が。電波を遮断しなければならない理由があるのだろうかと担当者に質問したが、「普段お客さんが入らない場所なので電波を引く必要がない」との回答だった。今やほとんどの場所で電波が通じるためすっかり忘れていたが、そういえばひと昔前までつながらなかったことを思い出した。


地下鉄開通90周年イベント 渋谷駅の引き込み線

 乗車していた人の中には、今回のイベントのためにネイルアートをしたという人も。銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線、と創業順に描かれていた。


地下鉄開通90周年イベント イベント参加者のネイルアート。左から、銀座線、丸ノ内線、日比谷線、東西線、千代田線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線、メトロのイメージカラー、となっている

地下鉄開通90周年イベント 昔の改札

地下鉄開通90周年イベント ここに10円を入れると、木の部分を押して中に入れる

地下鉄開通90周年イベント

太田智美

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