有機ELテレビや8Kテレビの登場など話題の多かった2017年。その中で有機ELテレビや4K液晶テレビといった高性能なテレビを中心に平均単価の下落が進んだことがBCNの調査で分かった。有機ELテレビは半年で約10万円も安くなったという。
有機ELテレビは、2017年の春から東芝、パナソニック、ソニーが相次いで投入し、先行していたLGエレクトロニクスを合わせて4社の製品が店頭に並んでいる。いずれも大画面の高級モデルという扱いで、4メーカーの製品が出そろった17年6月時点の平均単価は44.58万円と高額だった。
しかし12月に平均単価は34.48万円まで下落。4K対応液晶テレビが過去2年間で6万円の下落幅だったのに比べ、有機ELテレビは値下がりのペースが速いという。
ただし薄型テレビ全体の平均単価は上昇しており、BCNアナリストの山口渉氏は「4K対応液晶テレビや有機ELテレビのような高性能かつ高機能なテレビの販売台数比率が増加しているため」と分析している。「解像度別の販売台数比率を見ると4K/8K対応テレビは2年前の18%から38.1%まで拡大した」
今のところ、有機ELテレビの構成比は全体の2%程度に過ぎないが、「伸びしろは大きい」と山口氏。今や市場の一角を担う4K対応液晶テレビも5年前は50万円を超える商品がほとんどだったという。「有機ELテレビの平均単価は約35万円と高額だが、徐々に消費者の手に届きやすい価格となっている。近いうちにラインアップがさらに拡充され、単価が下がれば有機ELテレビが急速に販売台数を伸ばす可能性は高い」という。
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